メル・ブルックス 新サイコ

劇場公開日:

解説

精神病療養所とサンフランシスコを舞台に、インスタント知識の切売りをするアメリカ医学への批判と、人間の貪欲と非人間的行為、また最近増大する傾向にある変態的な性問題などを、ヒックコック映画のパロディを織りこみながら笑いとサスペンスで描く。製作・監督は「サイレント・ムービー」のメル・ブルックス、脚本はメル・ブルックスとロン・クラークとルディ・デ・ルカとバリー・レヴィンソン。撮影はポール・ローマン、音楽・テーマソングはメル・ブルックス、編集はジョン・C・ハワード、特殊効果はジャック・モンロー、衣裳はパトリシア・ノリス、メークアップはトム・タトルとテリー・マイズが各々担当。出演はメル・ブルックス、マダリーン・カーン、クロリス・リーチマン、ハービー・コーマン、ロン・ケリー、ハワード・モリス、ディック・ヴァン・パテン、ジャック・ライリー、チャールズ・カラス、ロン・クラーク、ルディ・デ・ルカ、バリー・レヴィンソン、リー・デラノ、リチャード・スタール、ダレル・ツワーリング、マーフィ・ダン、アル・ホプソン、ボブ・リッジレイ、アルバート・ウィトロック、パール・シェアーなど。

1978年製作/アメリカ
原題:High Anxiety
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1978年10月21日

ストーリー

ハーバート大学のソーンダイク教授(メル・ブルックス)は精神病の権威で、ロサンゼルスの重症精神病研究所のアシュリー博士が急死したため、後任所長として赴任することになる。空港に迎えに来たカメラ気違いのお抱え運転手ブロフィ(ロン・ケリー)は、車の中で、アシュリー博士は何者かに殺されたのだとソーンダイクに打ち明ける。療養所の玄関でソーンダイクを迎えたのは、アシュリーの死後、所長代理をつとめているモンタギュー(ハービー・コーマン)と、無愛想な婦長のディーゼル(クロリス・リーチマン)だった。宿舎に落着いたソーンダイクは、現在療養所の顧問で、恩師のリロルマン教授(ハワード・モリス)に再会する。モンタギューは変態で、ディーゼルから拷問をかけられて快感を得ているような男で、しかも、高額な入院料を払っている患者に対しては、たとえ、全快しても、入院を長びかせるために、あらゆる手だてを尽くすのだった。リロルマン教授はソーンダイクが高所恐怖症であることを知り、その治療にとりかかる。療養所内に凶暴性患者を収容する病棟があり、そこにブリスベイン(アルバート・ウィトロック)という実業家が収容されていたが、彼も全快しているのに金持から不当な利益をあげようとするディーゼルらの陰謀によって、狂人のままに扱われていたのである。しかも、その病院内の陰謀にがまんできなくなった医師ウェントウォース(ディック・ヴァン・パテン)は療養所を去る途中、ディーゼルによって殺される。ソーンダイクが邪魔になってきたディーゼルは、殺し屋を雇って人殺しをさせ、その罪をソーンダイクにきせる。しかし、ソーンダイクのアリバイを立証する証拠写真をブロフィが偶然とっており、慌てたディーゼルは、写真のネガをとりあげ、ブロフィを病棟に監禁した。ブリスベインの娘ビクトリア(マデリーン・カーン)が父親に会いたがっていることを知ったソーンダイクは、ロサンゼルスで落ち合い、協力して幽閉されているブリスベイン救出に向かう。ビクトリア、さらにリロルマン、救出されたブロフィなどの協力を得て、ついにディーゼルらの手から、ブリスベインを救い出すことに成功する。しかも、リロルマンの激励の言葉で高所恐怖症をも克服したのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第35回 ゴールデングローブ賞(1978年)

ノミネート

最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル)  
最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) メル・ブルックス
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フォトギャラリー

映画レビュー

3.0なんだかわからないうちにクスクスと笑ってしまうけど、ストーリーは何だったんだ・・・

2020年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 途中の展開はわけわからないが、ソーンダイクを利用して殺人事件を握りつぶそうとする病院の面々。彼に変装して殺人を犯し、彼は警察から追われることになる。そして原題である“高所恐怖症”であるソーンダイクを利用するのだが・・・

 『サイコ』のパロディであるシャワーシーンでは新聞を使うし、逃げる姿は『北北西に進路をとれ』だし、高所で『めまい』をおこすシーンは笑っちゃいけないはずなのに笑えてしまう。音楽も上手く使っているし、独自のドタバタ劇もある。ホテルの高い階は苦手だと言ってあったのに、ミスター・マクガフィン(幹事と訳されていた)という人物に17階の部屋に変更させられていたりする。

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kossy

3.0『サイコ』のパロディシーンはサイコー!

2019年12月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

腹を抱えて大笑いとまではいかない。ちょっと泥臭いのかなって感じも。でも『サイコ』をパロディったシーンなんか実にケッサク。他にも冒頭突然喚き出すオバチャンとか、ラストでクロリス・リーチマン扮する鬼婦長が魔女そのもののようにホウキに跨がって塔から落ちて行くところなんかのようにアホらしいとは思っても笑わずにはおれないシーンも多い。しかし一方『鳥』のパロディシーンのようにさして面白いと思わないシーンも少なくない。〈38年前の初見の時の感想〉

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もーさん
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