劇場公開日 1977年3月26日

「中盤から引き込まれる」マラソンマン きーとろさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0中盤から引き込まれる

2019年1月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波、CS/BS/ケーブル

怖い

興奮

知らないうちに巻き込まれているタイプのサスペンスです。
万人向きではないけれど、何とも言えない魅力を感じる作品。

マラソンマンというタイトルと内容にギャップを感じると思います。主人公がマラソンを日課にしているというだけですし。
時々挟まれる黒人ランナーのイメージはよくわかりませんでした。主人公の憧れ?何か意味があったのか…不思議な感じで私は好きな表現でしたが。
後で調べて知りましたが、あのランナーはアベベなんですね。名前は知っていますが詳しくなくて…。やはり主人公の憧れだったようです。

オープニングのおじいちゃん同士の罵り合いは結構ツボでした。シリアスなのかコミカルなのかをはかりにくい感じが。
その後主人公もマラソン中に同じような状況になるのもおもしろい始まり方だと思いました。

序盤は主人公がなかなか出てこず、何か陰謀が進行しているのかな…という感じでよくわからないのですが、後々繋がってくるのはおもしろかったですね。
それでも父親のことや、あの人は結局どういう立場だったのか?という細かい説明がなく、謎が残る部分があるのでちょっとモヤモヤします。

あと図書館で少し話しただけであんなに必死になるのはちょっとよくわからない。主人公チョロすぎか?映画ならではですかね。
エルサの動かし方は中途半端でもったいないと感じました。

衝撃的な場面もあり、だんだん話がわかってくる中盤以降は目が離せませんでした。
黒幕との対決の幕引きもキャラクターが出ていて良かったです。

個人的に好きなポイントは、日常的な場面でこれは一般人じゃないな、と思わせるドクの描写。こっそり家に忍び込んで脅かしたり、エルサに鎌をかけたり。
他には向かいに住んでる不良っぽい集まりに協力してもらうところも好きでした。ちょっとした伏線回収というか。
あとは終盤のゼルがユダヤ人街を歩くあのシーン。緊迫感があります。バレて欲しいような、危険だからバレないで欲しいような。

切なさの混じる爽やかなラストも好みでした。

きーとろ