真夜中のダンサー

劇場公開日:

解説

フィリピンはマニラのゲイ・バーで働く3人の兄弟とその家族を中心に、様々な欲望と暴力の渦巻くマニラの裏側とそこに生きる人々の姿をセミ・ドキュメンタリー・タッチで描いた人間ドラマ。本国ではゲイ・セクシュアリティの表現と社会の暗部の描写によって一般公開中止に追い込まれたが、ロッテルダム国際映画祭、バンクーバー国際映画祭、トロント国際映画祭など各国の映画祭に招待されて注目された。監督はフィリピン映画界の巨匠リノ・ブロッカの助監督出身で、製作中に急死した彼の遺志を継いで英国BBC製作の『ルシア』(92)を完成させて世界的に高い評価を得、ブロッカ亡き後は「フィリピン映画界で最も重要な監督の一人」と言われるメール・チョーンロー。脚本は、ブロッカの『マッチョ・ダンサー』「泥の中を泳げ」などを手掛けたリカルド・リー。製作はこれが初プロデュースとなるリチャード・タン。

1994年製作/115分/フィリピン
原題:Sibak/Midnight Dancers
配給:スタンス・カンパニー=ENKプロモーション
劇場公開日:1996年6月22日

ストーリー

マニラ。貧しいが気のいい母親の下、将来を夢見て自らの肉体を売る3人の兄弟たちがいた。妻と子を持ちながらゲイの愛人がいる長男のジョエル。ストリート・キッズの仲間と共に日々のスリルに興じる次男のデニス。そして、学校を中退して家族の元に戻ってきた三男のサニー。サニーは、兄たちの勧めでゲイ・バーで働き始める。そこは、外国人のGIや観光客を相手に体を売るところだった。マニラの夜の世界に踏み出したサニーを軸に、ドラッグ・クイーンとの恋、腐敗した警察権力の実態、エイズの影、じゃぱゆきの問題など、現代マニラの過酷な実態が描かれる。やがて、デニスは地元のギャングとの抗争に巻き込まれ、無残に殺されるという悲劇的な結末を迎える。

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