劇場公開日 2021年5月14日

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「クー!」不思議惑星キン・ザ・ザ ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0クー!

2024年2月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

知的

絶対やりたくなるご挨拶やね。

忽然と現れたどう見ても地球人なんだけど異星人の持つ空間移動装置で、いきなりキン・ザ・ザ星雲の砂漠の星プリュクに飛ばされてしまったエンジニアのマシコフとバイオリン弾き?のゲデバンの二人が、プリュクに住むチャトル人とパッツ人の二人に拾われるところから話は始まる。

小太りのチャトル人ウエフと大柄なパッツ人ビーの二人はどう見ても普通の地球人のおじさん、しかも見た目も同じような感じなのだが、支配階級のチャトル人と被支配階級のパッツ人の立ち位置。何故が地球人はパッツ人と同じ扱いに。しかもチャトル人かパッツ人かを調べるのは、ショボい通信機のようなもので、人に向けてボタンを押してオレンジ色ならパッツ人、緑色ならチャトル人、見た目じゃ全然分からんが、彼らに言わせれば明白らしい。

こんな感じで、支配する側、される側、更にその上に位置する公安的立ち位置のエツィロップそれぞれに独特のルールがあって、エツィロップに至ってはその横暴さが際立ってる。

まあ、早い話が当時のソ連のロシア人とそれ以外の人、更に権力側の人間の縦構造を宇宙人になぞらえて描いているのだが、そのルールがいちいちトンチキで、よくこんな訳わからんルールを思いつくなと感心。芸をするなら檻に入る、パッツ人は鼻に鈴を付けなきゃいけない、マッチ棒が法外な金額で取引され、地球で言う金並みに価値が高い、などなど。

これらのルールにいちいちアホらしいなぁと思いつつも笑い、だけど何となく友情っぽい絆で地球人二人とプリュクの二人が結ばれそうになりつつ…も、やっぱり最終的には相容れなかったり、あっさり裏切られたり。
この辺の信用できなさ、薄情さもなんとなくかの国の特徴なのかもなぁと思ったりしながら観た。

しかし、この映画が製作されたのがソ連の崩壊末期、作風はなーんとなく政府やその他諸々を批判しているような作りになっていて、もしかしたら今のロシアよりも自由だったりして、なんて考えてみた。
歴史は繰り返される。一周回って元通りなのかな、この世の中は。

映画としては、違和感をいっぱい楽しむ、笑い飛ばす。
世界観は唯一無二で私は面白いと思った。

ハルクマール
かせさんさんのコメント
2024年3月27日

俳優たちもリラックスしてて、演技放棄してるんじゃないかとすら感じました。

かせさん