ひと月の夏

劇場公開日:

解説

20年のイギリス、ヨークシャーを舞台に、戦争の後遺症に悩む二人の青年のひと夏の出来事を描く。エグゼキュティヴ・プロデューサーはジョン・ハンブレーとジョニー・グッドマン、製作はケニス・トロッド、監督は「乙女座殺人事件」のパット・オコナー。J・L・カーの原作を基に、脚本はサイモン・グレイ、撮影はケネス・マクミラン、音楽はハワード・ブレイクが担当。出演はコリン・ファース、ケネス・ブラナーほか。

1987年製作/イギリス
原題:A Month in the Country
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
劇場公開日:1989年8月25日

ストーリー

第一次大戦での後遺症に悩まされるバーキン(コリン・ファース)は、教会の壁画復元の仕事にとりかかるべく、雨中ヨークシャー州の寂しい町オックス・ゴドバスにやってきた。牧師のキーチ(パトリック・マラハイド)は、復元には反対だったが、それによって多額の寄付が入ることで復元を渋々承諾していた。ある日バーキンは、隣の土地で墓地の発掘をしているムーン(ケネス・ブラナー)に声をかけられ、彼もまた大戦の生き残りということもあり、二人は次第に友情の絆で結ばれてゆく。そんなある昼下がり、うたたねをしていたバーキンは、ある美しい女性(ナターシャ・リチャードソン)に起こされる。バーキンは彼女に心魅かれるが、実はキーチの妻アリスであることを知りがっかりする。復元の仕事も順調に進み、ほとんど終りに近づいた頃、バーキンは壁画を見にきたアリスの姿に、激しい恋心を抱く自分を確認する。そして数日後、キーチの家からの帰り道、二人は幸せな空気に包まれるが、それを打ち破ったのは一発の銃声だった。やがて壁画の男は、ムーンが見つけた墓の石棺の男と同一人物であることが分かり、それは無理矢理キリスト教に改宗させられたイスラム教徒であることが明らかになった。こうしてひと月の夏は終りに近づいた。別れを告げにやってきたアリスとバーキンの間には親密な空気が漂うが、それもつかの間のことだった。ムーンは新たな発掘のためバグダッドへと旅立ってゆく。そして一人教会を後にするバーキンを、懐かしいまなざしで見つめる一人の老人(デイヴィッド・ガース)。後には何もなかったように美しい田園風景が残るのみである。

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