劇場公開日 2021年10月15日

  • 予告編を見る

「トーキー映画の始まりの良さがぎっしり」巴里の屋根の下 ヤマザマンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5トーキー映画の始まりの良さがぎっしり

2020年12月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ルネ・クレール「巴里の屋根の下」(1930)
1時間36分の上映時間。パリらしい建物の住人たちの様子と一人のルーマニア人の若い女性を巡る三人の男性の話。流石にデジタル再生されている画像なものの、映画は古く、かつトーキーかサイレントかでどちらつかずの画面。トーキー黎明期代表作品と言う。最初はつまらなく感じた。でもシンプルな良さを次第に感じた。不必要なセリフはなく、逆に仕草から理解出来る。台詞は歌も多く「詩的リアリズム」作品として有名らしい。街頭歌手アルベールと最初の親しい出会いの寝室の暗がりの喧嘩、そして女を巡る暗がりでの男の果し合いと電車通過など。今は画像がごちゃごちゃしていて疲れるがそれはない。観客の想像にまかされるはとても心地よい。最近テレビで流行の歌舞伎流のドアップ顔演技の連続とは対照的。

ヤマザマン