劇場公開日 1983年12月10日

「嗚呼!愛すべき悪徳(笑) (或いは酒と薔薇の日々Days of vodka and Roses )」ネバーセイ・ネバーアゲイン pipiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5嗚呼!愛すべき悪徳(笑) (或いは酒と薔薇の日々Days of vodka and Roses )

2021年5月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

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興奮

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ステーキ、ウォッカ・マティーニ、キャビア、白パン。
健康の為にどれかを減らさねばならぬなら「白パン」を減らす!(笑)
この愛すべき悪徳よ。
うむ。流石は我らのコネリー・ボンドだと快哉を叫びたいw

「映画サンダーボール作戦」のリメイクとは考えない方が適切だと強く感じた。
実際、最初にあったのは映画用オリジナル脚本の「James Bond, the secret service」本作は、これをベースにしている。
この「James Bond, the secret service」をノベライズ化したものが「小説サンダーボール作戦」であり、更にそれを映画化したのが007第3作目というわけだ。
だから、本作と第3作目は直系の親・子・孫の関係ではなく「叔父と甥」に当たる。相似点はほぼ感じなかった。まったくの別作品である。

やっぱりね、これですよ、これ。
ジェームス・ボンド007と言えばこれ。
美酒、美食にこだわり、美女をこよなく愛し、任務においてもあくまでダンディー&ジェントル。女性においてはセクシー&ワイルド。
「それがジェームス・ボンドなのだ」と圧倒的に強烈なキャラクターを印象づけたショーン・コネリー。
本作では、紆余曲折を経て、ようやく旧い友人に出会えた気分になった。

巷間では興行収入のみを比較して、オクトパシーの勝利と見る向きもあるが、それはあまりに一方向からの見方というものだ。現に、当時の評論家・専門家評は軒並みコネリーを称賛するものであった。
興行収入は、オクトが米1億8千万$、日19億円、ネバー米1億6千万$、日12億円、ムーアファンは大差と看做し、コネリーファンは僅差と看做すが(笑)オクトが夏休み期間を含む事は考慮すべきだろう。ネバーは秋公開。映画好き以外はあまり劇場に行かないシーズンだ。
中心ファン層も、コネリー世代は当時40代以上、会社では管理職などで忙しく映画館に足を運ぶのは難しい。
ムーア世代はフットワークの軽い40代以下から学生を含む若い層すべて。
夏休みに友達と映画を観に行くとなれば、それまで007を観た事のない浮動票も流れる。

これだけタイプの違う俳優が同じキャラクターを演じる事が不幸の始まり。
ジェームス・ボンドは初代のみにして「コードネーム00」を継承する別人達って事にすれば良かったのに。
仮面ライダーならば、コネリーが1号、ムーアが2号、ダルトンがV3(消されたライセンスは怪傑ズバットって事でw)ブロスナンがイケメンX、クレイグが、、、おおっと!これを書いている間に「AmazonがMGM買収!」の報が飛び込んできた!
これは、クレイグをストロンガーにして、お次の7代目をコードネーム00Amazonにしようか。
え?レーゼンビー?当然、ライダーマンであるw

ライダーと言えば、今回バイクアクションも良かったなぁ〜!188cmあれば、どんなバイクでも取り回せるよね、羨ましい・・・。(当方、SUZUKI KATANAに乗っていた時期があるが足がまともに着かなくて。160cmしかない女性が選ぶべきマシンではなかった。若気の至りw)

イオン・プロとの絡みで優秀な製作陣で臨む事が出来なかった不遇の本作だが、バーバラ・カレラのゴージャスな壊れっぷりは喝采したい。高いヒールで颯爽と階段を駆け降りる姿も美しく、実に見事な悪女像でありました。
クラウス・ブランダウアーの偏執狂ぶりもお見事!
まだアーケード用コンピューターゲーム筐体の黎明期。ポストインベーダーとなったギャラクシアンの続編ギャラガやパックマンが世界各国でヒット。英米でも初のコンピュータゲーム専門雑誌が創刊された年だ。
紳士淑女の集う豪華客船に設置された大量のコンピュータゲーム筐体は富と知性と最新鋭の技術を見せつけるものだっただろうか。
最近は珍しくもなくなったITマニアのサイコパス。その先駆けがネバーVer.のラルゴであったのだろう。

ともあれ、私にとって「ジェームス・ボンド007」とは、やはりコネリーを置いて他には無い。と、再認識出来た本作でありました。
(ムーア世代だけどねw
星?うん、ちょっと贔屓してるw
コネリー最終作だから御祝儀ね)

pipi