ドライビング・MISS・デイジーのレビュー・感想・評価
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奥ゆかしい・・・
公開当初の30数年前は結構な話題作だったように記憶していて、それに乗じて観た覚えはあるんだけど何しろテーマが地味で20代そこそこだった私には残念ながら内容はほとんど印象に残ってませんでした。先日たまたま夜中のTV放映を見つけてチラ見のつもりで観賞したところ・・・なかなか奥ゆかしい作品ですね。
舞台はまだまだ人種差別の色濃いアメリカ南部のジョージア州。その土地柄と時代背景のもと展開するユダヤ系の老婦人と黒人の運転手との心の触れあい。宗教に対する執着と偏見だとか我々日本人には馴染みが薄いけど興味深いテーマが盛り込まれていて今更ながら考えさせられる。
モーガン・フリーマン、いい味出してますね。この4年後に「ショーシャンクの空に」でその存在感を決定的なものにしたのも納得。一方、ブルースブラザーズのダン・エイクロイドは10年の時を経てすっかり角のないおじさんを演じていてその変容ぶりもちょっと見所。
ほとんどの映画って例え一時的にヒットしてもそのうち忘却の彼方に押しやられてしまうんだけど、この作品は派手さはないけれどテーマがしっかりしてて上品に丁寧に創られていいる印象。いつまでも秀作の一本として残っていくんじゃないかなと思った次第です。
心温まる映画。
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元教師で清廉な性格だが、頑固で気難しい婆さんのMiss デイジー。
高齢のためか、ある日運転を失敗して車を駄目にしてしまう。
息子は会社社長で裕福であり、母のために運転手(モガちゃん)を雇った。
単なる運転手ではなく屋敷内に常駐して雑務も行う感じの役割だった。
デイジーは保守的な人間だったので、今さら使用人が増えるのを嫌がり、
モガが家の中を整理したりしても、家の中をさわるな等と冷たく言う。
とにかく辞めさせて欲しいと息子に言うが、息子はこれを拒否する。
ある日、デイジーが車を使わず電車で出かけようとしたところ、
モガが車で追いかけて来て、仕事をさせてくれと説得、しょうがなく乗車。
余計な事をぶしつけに言ったりはするが、賢く忠実で気遣いができるモガ、
これをきっかけにどんどんデイジーや息子からの信頼は高まっていくのだった。
Miss デイジーは人に心を開けない性格であり、寂しさを常に抱えていたが、
プライドが邪魔して感謝の気持ちを周囲に伝えられないのだった。
やがて10年か20年経ってみんな年を取り、ついにデイジーがボケる。
ボケた中で、あなたが一番の友達よとモガに言う。これが本音だった。
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徘徊系の映画だが、イヤにならなかった。地味に感動させる映画だった。
デイジーは善良な人だし、実はモガといる時が一番リラックスできている。
年も近く気も合うはずで、もっと早くにいい関係を築けるはずだった。
でも全てはデイジーのプライドが邪魔をしていた。
デイジー自身も歯がゆくてしょうがなかったのだと思う。
ようやく気持ちを口にできたのはボケた後だった。
モガは実に忠実な人で、婦人が入院して屋敷を引き払った後も、
デイジーの息子から恩給のような形で援助を受けていた事もあるだろうが、
病院まで会いに行ったり、デイジー家に尽くすことを忘れなかった。
必要以上に親密になれないような関係でありながらも、
長年顔を合わせて来たのだ。相手の本心だって見えるだろう。
モガも婦人の気持ちに気付き、感謝の気持ちを受け取っていたに違いない。
身分、人種の差、プライド、親友になるための阻害要因は多い。
でも2人はそれを乗り越えて、信頼関係を築き上げていたのだった。
癒し系映画
特に大きな事件とかはなく、淡々と白人の老婦人と黒人のお抱え運転手の交流を描いた映画で、心温まる。この当時はたぶん黒人に対してはかなり偏見・差別があったと思うが、老婦人は次第に彼を信頼・信用し、親友のようになっていくところが面白い。
笑い泣き
救いのない映画、残酷なだけの映画、ユーモアのない映画、は好きではない。1シーンでもいい、何度も見たくなるような印象的なシーンがあれば、それは私にとっていい映画である。文盲のホークにデイジーが字を教えたところ。字が読めないからお墓の位置がわからなかったのが、見つけられたその喜び。それと、久しぶりに再見してラストに感動した。老いたデイジーに、ホークがパイを食べさせる。ふたりの幸せそうな顔に、胸がいっぱいになり涙が出た。私の顔は泣きながら笑っていた。こういう映画が好きだ。
25年の時を経た積み重なる想い出と2人の結ばれた友情を描いた作品❀
白人の老婦人が、黒人に対する差別や偏見が
あったものの、家族、夫の死、
長年、一緒にいた家政婦、大事な人が亡くなったとき、自分の傍らで日頃から温かく接してくれた黒人の運転手に支えられていたことを
改めて思い直す2人の友情のドラマでした。ドライビングは、他の方の感想にある
ように人生のドライブだったことを思いました。
貴方は私のベストフレンド✿
息子に雇われた運転手に巡り会えたこと。
デイジーは幸せな人生を過ごすことが出来たと思いました。
誰にでもある老い、時を経ても
変わらない友情が其処にあると思いました。
永遠のテーマ
この作品がリアルタイムな当時は、
自分は映画にさほど興味も無く、
タイトルだけは知っていた程度。
その後「最強のふたり」「グリーンブック」
を経て、
人種差別て永遠のテーマなんだと、
まざまざと見せつけられてきた。
その原点を見た気がする。
終始首を傾けて話しかける、
和かなモーガンが印象的だった。
素敵な映画でした。
まあまあ面白かったのですが、雇い主と運転手で白人と黒人の心の交流の物語となると、どうしても名作「グリーンブック」と比べてしまい☆3.5となりました。
でもこの作品も、じゅうぶんに素敵な映画でした。
二人の歴史に重ね合わせるかのように、人種の垣根も低くなって…
少し前に、同じように米国史を駆け抜けた
かのような作品
「フォレスト・ガンプ/一期一会」を観て、
同じような意味合いの作品かと思い
1990年のロードショーとTVでの鑑賞も含め
3度目鑑賞をしたが、
こちらの方の背景は「フォレスト…」よりも
少し前の時代のようだ。
この作品もアカデミー作品賞受賞作だが、
同じ作品賞受賞の「フォレスト…」よりは
時代的に身近ではなかった分だけ、
私には少しハンディがあったかも知れない。
さて、作品の冒頭では、
家庭でも職場においても、
支配者は白人、使われるのは黒人であるとの
あからさまな状況が描かれ、
他にも、キリスト教とユダヤ教、
富める者と貧しき者、
等々が対立項目として描かれると共に、
老いの問題も描かれた。
そんな中で、飄々と現実を甘んじて
受け入れているようで、
でも言うべき時は言うという
ホーリーのフラットな感覚が
周囲の状況を変えていくように、
社会的にも、キング牧師の演説に向かって
徐々に人種の垣根が低くなっていく様子
も描かれた。
しかし、そんな時代的な観点というよりも、
二人の心の交流をしっとりと描いた作品
のように思える。
また、ホーク役のモーガン・フリーマンの
“ンッ・フッフッフ”の忍笑いは、
彼の地では無く、演技なのだろうが、
ホークの控えめな生き様と
リンクしているようで、妙に印象的だった。
トムもロビンもおさえてのアカデミー受賞作
ずいぶん前に見たっきりの作品でした。
たぶん映画館のはずだから30年以上前のはずです
あの時のお目当てはダンです
『ゴーストバスターズ』のダン・エイクロイドを見たいと思い映画館へ行ったはず
だって、主役のジェシカ・タンディは見たことのある女優さん(ヒッチコックの『鳥』に出演していましたね)
それからモーガン・フリーマンはまったく知らないお爺さんなのですから
ダンが出てなきゃ完全にスルーしていた作品ですよ
でも、見てよかったですね
この作品のエピソードの一つ一つが、まるで階段を登るようにゆっくりと2人の絆を深めてゆくのです
見終わった今、その一つ一つが愛おしい
出来ればここで一つくらいご紹介しようかと思いましたがそれじゃー初めて見られる方々に失礼ですよね
この作品の奥深さは、まずこの年代とこの土地にありますね
アメリカ南部が舞台で人種差別が許されていた頃の話
そしてMissデイジーもユダヤ系ということです
日本人の私にはあまりピンとこないのがユダヤ系とは?となっちゃいます
知らなくてもじゅうぶん楽しめますし知ってからだともっと深く頷くでしょう
久しぶりにまともなレビューを書けたような気がします。
でわでわ
この映画は『おばあさんの夢』 あの『バンズラビリンス』はここから。
白人と黒人の友情を描いた話であるが、始まりが、1953年とだけで説明されているだけで、時間経過を表すものはほとんど登場しない。つまり、アメリカの歴史を語る為の出来事が極端に少ない。場面が変わると、息子の『ひたい』が広くなっている。それに気づくのが、随分経過してからで、キング牧師の逸話になってからの事。途中のテレビ番組も知らないので、時間経過が理解できない。そして、キング牧師の話。あれ!?
1950年代にキング牧師はまだいないだろう?と思い、はたと、時間の経過に気付いた次第。
さて、その位、この映画はアメリカの歴史を、無視してこの物語を紡いでいる。と僕は良心的に見た。二度見したら、カップに1966年って書いてあるね。
しかし、それでいて、アメリカの歴史をこの二人の半生で描いている。
シナゴーグが爆破された事件は、残念ながら詳しくは知らないが、その後、ホークが歌う『奇妙な果実』は胸に染みる。
ユダヤ資産家とアンクル・トムの話しだが、二人の友情を主題にして、人生の終わり方を語っているように感じた。
『変化と言うが、そんなに変化していない』知らないはずのキング牧師の話を、黒人の主人公が語る。
さて、
この映画のストーリー自体が、このおばあさんの『夢』だったのでは?と最後思えた。死ぬ間際に走馬灯の如く見る夢。そう言った意味が含められていれば良いなと思った。
美味しそうに食べさせてもらうおばあさんの笑顔に、人生の終わりを感じる。何故か涙が出た。
『what a friends of JESUS.』いい曲だ。この映画のテーマじゃないかなぁ。僕はガキの頃『輝く星座』と言う題名で合唱に参加し、この曲が大好きになった、
ベストフレンドになった運転手
モーガンフリーマン扮するホークコ ルバーンは、ジェシカタンディ扮するデイジーワサンの運転手として採用された。しかしデイジーは認めようとはせずつっけんどんにホークをあしらった。
これはコメディなのかな。モーガンフリーマンが上ずった声をしてるもんね。それにデイジーは麻雀をやるんだね。最後にデイジーがホークにベストフレンドだと言ったな。ほのぼのとした展開だったよ。
美しく叙情的
BSにて視聴。
赤毛のアンの世界を思い起こさせる、こじんまりとした家と手入れの行き届いた庭。趣きのある家具と部屋の装飾品。
住まいがその女主人の人柄を表しているようで、まず背景に見入ってしまった。それはどの場面を切り取っても美しい。
物語は叙情的で暖かい。
ジェシカ・タンデイとモーガン・フリーマンの熟年である2人の競演は見応えがある。
モーガン・フリーマンはいつも人間の晩年の姿をしみじみと観せてくれる。
とても気持ちの良い作品なので、もう少し長く見ていたかった。
こつこつと文字を教えて、それをだんだんマスターしてゆく姿などを見たかったなと思う。
聖者の運転
生真面目で頑固な老婦人ミス・デイジー。周りからは煙たがられている。そんな彼女のお抱え運転手となったホーク。朗らかで辛抱強いホークは、彼女の心を少しづつほぐしていく。おたがい年をとった状態で出会ってるので、25年も経てばヨボヨボである。俳優の老けメイクが…。
ホークの思いやりが沁みる。時々言い返したり、きっちり主張したりしてるが、それでもすごく優しい人だと思う。差別を受け、親しい人がリンチされ、辛いことも多かったはず。ミス・デイジーには想像できないくらい。モーガン・フリーマンは、アメリカ版小日向文世な気がするんだけど、いい人も、いい人に見える悪い人もできる。この映画では、裏のない、いい人だ。私も彼にケーキを食べさせてもらいたい。はい、あーん。
BSプレミアムの放送にて。
侍従関係からの友情
黒人差別が当たり前の時代に、白人に仕える黒人ドライバー。
どんなワガママをも、きっちり正論で返す賢さは人間力ですね。
抗ったところで改善されるはずもなく、しっかり意見を言っていつしか信頼される友人に。
そんな人でありたい。
じんわりと心に染み込んでくる情感
誰もが嫌がる頑固な老婦人ミス・デイジーの運転手として雇われたホークの誠実で、分をわきまえた仕事ぶりが、やがて主人の信頼を勝ち取り、最大の親友とまで言われるようになるハート・ウォーミング・ストーリー。
映画としては、これといった派手な事件もなく、淡々と時間が過ぎていきますが、ジェシカ・タンディの頑固ババアで、どこか憎めない愛嬌。モーガン・フリーマンの骨のある実直な仕事人とユーモア。ダン・エイクロイドの母親を思う息子でなおかつしたたかな経営者の顔。
その他にも、当時の人種差別や社会風俗などを巧みに取り入れ、人間の幸せと、尊厳は何かということを静かに語りかけてくれるような映画です。
きっと、若いときに観ていたら「なんて退屈な映画だろう」と、拒絶したと思うんですが、初老をむかえた私にはあまりにハマる内容で、思わず涙ぐむいいお話でした。
ありがとう、午前十時の映画祭
観ている間は面白くても観終わったらすぐに忘れてしまう映画がある(特に最近多いように思う)。
何年も、何十年も前に一度観たきりなのに、いつまでも脳裏に焼き付いているシーン、胸に響く台詞、耳に残っている音楽、、、忘れられない作品がある。
この映画はまさしく後者で、あの軽やかな旋律のテーマ曲がいつも耳に浮かんでくる。
公開時以来の鑑賞。なんとなんとまたまた音楽ハンス・ジマー。あの耳に残っていたメロディはハンス・ジマーの曲だったんですね。
ドイツ系ユダヤ人の頑固な未亡人と、その息子に雇われた黒人ドライバーの長き年月にわたる交流が淡々と描かれる。
無法松や佐吉のような献身的な愛ではない。
ホークはミス・デイジーに無神経な言葉をかけられれば言い返すし、雇い主である息子にちゃっかり交渉して給料も上げさせる。
主従関係や、人種、宗教を超えてひとりの人間として向き合っている。
大きな事件が起きる訳でもない、悲劇の結末やほっこりしたラストが待っている訳でもない。
老人介護施設で暮らすデイジーを訪ねたホークが、スプーンを取ってパイを食べさせてあげる。
ただそれだけのラストシーンに、なぜか涙が止まらない。
この涙はどういった感情から出てくるのだろう。
悲しくて、嬉しくて、怖くて、可笑しくて、興奮して、、いや違う。
まるで山頂で御来光を仰いだ時に自然と溢れてくる涙のようだ。あのラストのふたりの姿はそれほど神々しいものだった。
今、改めてこの作品を観ることができた幸せ。午前十時の映画祭、ありがとう。
アカデミー主演女優賞を受賞したジェシカ・タンディと、モーガン・フリーマンが素晴らしかったのは言うまでもないが、ダン・エイクロイドがとても良かった。
当時、コメディ作品以外で彼を見たのは初めてだった。
妻と母との板挟みになりながら愛情と理解と優しさに満ちていた。ダン・エイクロイドじゃなかったら、作品の雰囲気が違ってただろう。まさしく好演。
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