ドクトル・ジバゴのレビュー・感想・評価

ドクトル・ジバゴ

劇場公開日 1966年6月18日
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紛うことなき、大人の名作です。

「午前10時の映画祭」でのリバイバル上映を観に行きました。これは「アラビアのロレンス」とともに、絶対にスクリーンで観るべき映画です。

わたしが選んだキーワードは、愛と情熱と信念。人間が造り上げていくものにも関わらず、抗えない時代の流れ。人間が選ぶものであるにも関わらず、抗えない情熱…情熱は恋愛だけではなく、政治思想などの信念にも激しく表れます。

一般に信念を持ち理想に邁進することは大切と言われますが、その強い信念や高邁な理想のために他人をも巻き込む悲劇をも生み出すことは稀ではありません。かたや表裏比興(老獪な食わせ物、やや嘲りを込めた言葉)と陰に日向に罵られようとも、人生は生きることにある、と悟ったように世を渡る生き方もあります。心の中は激しく揺さぶられながらも。

西側の制作による映画なので多少なりとも強烈な描かれ方がなされているとは思いますが、血の通わぬ雪と氷の地に起こった冷徹なロシア革命の動乱と混迷は、現代に生きる者にとっては大変恐ろしく感じます。
しかしその中でも人は生きているのです。殊に主人公ジバゴの感性はとても人間味があります。医師としての勤勉、詩の数々、そして運命の恋への情熱。冷厳なる社会の流れの中にも埋もれきらない、登場人物たちの人間味が表れています。

信念に生きようとする男でもなく、上手に世を渡る男でもないジバゴ。正直で純な男です。どっちつかずな、一生懸命な男です。
考えてみれば、医師という職業がそもそも「どっちつかず」なのかもしれません。人命を助けるという希有な働きができるため、敵味方の両方から重宝され、また利用もされやすい。彼が底意地を張ったのは、あの決断だけ…女であるわたしからすれば馬鹿みたいな男の意地で、彼は大切なものをすべて失います。

だけどそれが完全に間違った選択であったかどうかは、神の視点に立ったわたしたちにも断じることは出来ません。なぜなら同じ人間だからです。
ひとつ言えるとしたら。
動乱や政治に打ち克つことができるのは、連綿とつづく血脈だけなのかもしれません。夢半ばで倒れても、その子、その子孫が社会を生き抜き、生き続けてゆくことは何にも勝る抵抗だと思うのです。

畏怖するほど美しい映像の中に「人間」を描ききったこの作品は、3時間20分という長尺にもかかわらず冗漫でも情報過多でもありません。流行の映画などでは途中寝てしまうこともあるわたしですが、この映画には即座に引き込まれ、200分という時間が充実して流れました。

大人による大人の映画です。

※おまけです…「銀河鉄道999」のメーテルは、ロシア美女にしかマネが出来ないなぁと思いました。

Bell_ray
Bell_rayさん / 2016年8月15日 / PCから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  泣ける 悲しい 難しい
  • 鑑賞方法:映画館
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とてもよかった ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

 ジバゴも奥さんも愛人もみんな人柄がよく、出来過ぎた話ではないかと思うのであるが、羨ましい。あんな魅力的な人に囲まれて過ごしたい。

 最もクズだったのは、愛人をレイプしたおじさんではなく、妻子をほったらかして革命にうつつを抜かした旦那だと思う。

 愛人となる彼女が、おじさんに誘われてセクシーなドレスを着ている場面に揺れる複雑な女の気持ちが現れていた。また、旦那の赤い列車が異様にかっこよかった。

 これまでこの映画を見ようと思った事は一度もなかったのだが、勉強のつもりで見に行って本当によかった。スケール感のあるリアルな描写に圧倒された。すごい映画体験だった。

 ただ、ジバゴが詩人としてすごく才能豊かであるとされていたのに、詩の内容が一切描かれていなかった。どんな詩を書いていたのかとても気になった。

古泉智浩
古泉智浩さん / 2016年7月22日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  泣ける
  • 鑑賞方法:映画館
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個人から見たロシア革命と内戦

どんな理由があれば、戦争が正当化されるのだろう? 革命は泥棒、戦争を正当化できるのか?

個人として誠実な生き方を貫く事は、時には大切な人を裏切る事に繋がってしまう。そういう不幸な時代だったという事かな?

原作は大昔に読んだので、ほとんど忘れていたが、自然描写の詩のような美しさに感動した。この映画も冬の厚い雲の向こうから差す太陽、朝焼け、森、雪の平原など風景がすばらしかった。

誰もが、自分なりに誠実に精一杯生きている、生き抜いている、幸せとは程遠くても…
生き抜く決意の中にしか希望はない。

Momoko
Momokoさん / 2016年7月21日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  泣ける 興奮 知的
  • 鑑賞方法:映画館
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名作

上映時間は約3時間半と、非常に長い。
しかし、それを苦に感じないほどのテンポの良さ、内容の濃さ。
ロシア革命を背景とした民衆の生活に焦点を当てており、当時の情景が事細かく描かれていた。
普通に歴史の勉強にもなると思う。
また、個人的には、「ちゃんとした家がある」ということのありがたさを実感できた映画でもあった。
共産主義下のロシアでは、自分の家に他人が入り込み、さも当然かのように生活し、その私物ですら公共物とみなす。
画面を通して、そうした状況下で生活することの息苦しが鮮明に伝わってきて、やり切れなかった。
映画でこれほどの臨場感を醸し出している作品は稀。

檸檬
檸檬さん / 2016年7月14日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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革命<秩序

一介のブルジョアから見たロシア革命は悲惨、革命より秩序の方が大事やな。家族<運命に身を任せるという意味において主人公と革命家は同じ。

めたる
めたるさん / 2016年7月10日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 1.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
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原作を読む事を途中で挫折した時からずっと一度は観てみたかった映画。... ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

原作を読む事を途中で挫折した時からずっと一度は観てみたかった映画。さすがアカデミー賞のスケールの大きな作品。時代に翻弄されたジバゴをはじめ誰もが過酷な生涯で一人も幸せにはならなかった。ジバコがラーラに声もかけられずに死んでしまうのはあまりに可哀想と思いつつ、妻や子供達とは?と頭をよぎった。主題曲が初めて映画と重なったが素晴らしい。
スターウォーズのオビワンを演じた若い頃のアレック・ギネス、あまりかわっておらず若くは見えなかったー。

hctcl
hctclさん / 2016年2月6日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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名作中の名作

ボリシェヴィズムに踊らされた大衆の悲劇を
ジバゴ医師、個人を軸に描き切った
おそらく、人類史に残るであろう名作。
圧倒的な絵の美しさ。
度肝を抜くカット。
映画のすべてがつまってました。
100点。

neonrg
neonrgさん / 2016年1月3日 / PCから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  泣ける 悲しい 興奮
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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男って…

男ってやつは、結局儚げな美人に弱いのね…
観た後の今、ロシア革命の勉強したら世界史の勉強になるかな。

李
さん / 2015年5月17日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 2.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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