「赦しと愛」デッドマン・ウォーキング 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
赦しと愛
世界中の死刑囚が救いを求め憎しみから解き放たれて逝けるのならば本望か、それで誰が救われるのか、清々しく思われるシスターの表情、最後に懺悔の如く徹底した悪を貫かないマシューだが、真実が描かれる映像に心が清らかになろうが同情の余地はない。
死刑廃止論の立場を中心に描かれながらも加害者家族にも寄り添い、被害者家族側と死刑賛成派の意見も取り入れて、どちらかに偏ることはなく僧侶と死刑囚二人が対する静かな時間が死を迎える迄。
残酷な殺人犯でありながら小狡い小悪党でしかない惨めな男を演じたショーン・ペン、全てを受け入れ心を開いた最後の姿でさえ薄情で狡賢い一面を想像してしまう、そんな役柄を演じるショーン・ペンが大好物な自分。
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