セント・エルモス・ファイアー

劇場公開日:

解説

ワシントンの名門大学をそろって卒業した7人の若者のそれぞれの人生を描く青春群像劇。製作はローレン・シュラー・ドナー、エグゼクティヴ・プロデューサーはネッド・タネンとバーナード・シュワルツ、監督は「D.C.キャブ」のジョエル・シューマカー、脚本はシュマッチャーとカール・カーランダー、撮影はスティーブン・H・ブラム、音楽はデイヴィッド・フォスター、編集はリチャード・マークスが担当。出演はエミリオ・エステヴェス、ロブ・ロウなど。

1985年製作/108分/アメリカ
原題:St. Elmo's Fire
配給:コロムビア映画
劇場公開日:1986年2月1日

ストーリー

ワシントンの名門、ジョージタウン大学をそろって卒業した7人の仲間が久しぶりに顔を合わせることになったのは、ビリー(ロブ・ロウ)とウェンディ(マーク・マクドウェル)が引き起こした交通事故がきっかけだった。弁護士志望のカーボ(エミリオ・エステヴェス)、ミュージシャン志望のビリー、ジャーナリスト志願のケヴィン(アンドリュー・マッカーシー)、政治家を目ざすアレックス(ジャド・ネルソン)、女性として珍しく建築の勉強を続けるレスリー(アリ・シーディ)、銀行に就職したジュールス(デミ・ムーア)、ソシアル・ワーカーのウェンディ。七人七様の生き方で社会の大海に乗り出したのだ。そんな彼らが在学中から心の拠り所にしていた溜り場であるバー・レストラン<セント・エルモ>では、法律の勉強を続けるべく、カーボがウェイターとしてアルバイトをしていた。ビリーもここでサックスを吹いていたが、女に手が早くその上酒好きという性格破綻ぶりが災いして、学生結婚した妻との間に秋風が立っていた。そんな彼に秘かな思いを抱くのがウェンディ。実業家の父(マーティン・バルサム)の過保護ぶりに反発するかのように不良青年ビリーにひかれていた。グループの中で政治家の秘書というまっとうな道を歩み出したのがアレックスだったが、同棲中のレスリーがジャーナリスト志望のケヴィンと関係を持つようになり、3人は抜きさしならない立場に追いこまれる。一方、カーボも激しい恋に身を焦がしていた。相手は大学の先輩で女医をしているデール・バイバーマン(アンディ・マクダウェル)。ビリーの事故の時に再会して以来、その美しさにまいっていたカーボは押しの一手で突進するが、不運にも彼女にはインターンの恋人がいた。しかし休暇をとって恋人と山小屋にこもっていたデールのもとに押しかけ、強引に彼女の唇を奪って白銀の道を引き返した。そんな中でまた新たな事件が起きた。勤め先の妻子持ちの上司と恋に落ち、レスリーやウェンディを心配させていたジュールスが上司に棄てられた上に会社もクビになり、自殺を計ったのだ。急を聞いて駆けつけた仲間たち。凍てつくような部屋にひとりうずくまるジュールス。そのかたくななまでの心を開かせたのはビリーの説得だった。そして変ることのない友たちの熱い友情だった。ミュージシャンとしての成功を目ざしニューヨークヘ向かうビリーの旅立ちの日。見送る仲間たちの足が自然に<セント・エルモ>へ向きかけた時誰かが言った。「もう、<セント・エルモ>じゃないぜ」。<セント・エルモの火>。嵐の大海に捲き込まれた水夫たちを導くという伝説の火。しかし、進むべき道をしっかりと見定めた若者たちに、もはやその灯は必要ではなかった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5米国版「ふそろいの林檎たち」

2023年9月13日
PCから投稿

1980年代にポパイと共に大学時代を過ごした者と同世代のアメリカの若者群像劇です。

7人の主人公が入れ代わり立ち代わり、誰と誰がどういう関係で、誰と同居していて、誰のことが好きなのか混沌としていて、やっと慣れてくるのが1時間過ぎたあたり、という作品です。

「ブレックファストクラブ」と共に「ブラットパック」のツートップを形成しますが、BCの方が主人公たちのキャラクターがハッキリしていて興味深いです。

いずれにせよ、日米の若者の価値観があまりにもかけ離れているのでなかなか同調しづらいですが、ラストにかけての「ふぞろい」さながらの全員協力体制には静かな溜息でした。

なんといっても音楽のデビッド・フォスターが懐かしさ抜群です。

以下 参考
デビッド・フォスターはEW&FやB スキャッグスなど1980年代に一世を風靡した「ニュー・ウェスト・サウンド」の中心人物です。Mジャクソンをはじめ、彼が関わったアルバムのバックミュージシャンを集めて結成されたのが「TOTO」です。
当時の大学生の必聴番組だった「Best Hit USA」に出る曲、出る曲すべて「TOTO」っぽいサウンドで、当時の日本の歌謡曲も同じようなアレンジの曲が多かったようです。
この作品の全編でかかる音楽の雰囲気がマンマで、当時を知る者には感涙の限りです。

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越後屋

1.0ドロドロ

2023年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 女医デイル(アンディ・マクダウェル)に惚れてる弁護士志望のカービー(エステベス)がいいなぁ。その他は80年代流行りのトレンディドラマ風。公開当時は大学生だったこともあり、同時代的なんだけど、このカービーの立場が一番共感できると思った・・・女の子ではお堅い父親に育てられたウェンディ(マーク・マクドウェル)だな。そんな彼女がいい加減なミュージシャンのビリーに惚れるのもよくわかる。

 仲間うちでの三角関係なんかドロドロしてはいるけれど、最後があっさりしすぎ。おかしいだろ!一番笑えたのがそのラストで、明日は早くから仕事を探さなくちゃってところだった・・・

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kossy

4.080'sを代表する青春群像劇の傑作!

2022年12月22日
スマートフォンから投稿

高校生の頃のリアルタイム鑑賞以来、定期的に観たくなる名作

ブラットパック、日本ではYA(ヤングアダルトの略)スターとも呼ばれていた、ハリウッド青春映画の常連アクターズたち、ロブ・ロウさん、アンドリュー・マッカーシーさん、デミ・ムーアさんはじめ皆、大人気でした
同じ時代、日本でもトレンディドラマが流行し、それに出ていた若手俳優達を"トレンディ俳優"と呼んでいたのと同じですね
それらトレンディドラマの元ネタになるブラットパック作品も多々ありました

そんなブラットパック作品の中で私の一番のお気に入りが本作です

大学卒業したての主人公達7人が大人になりきれず、大人ぶって背伸びして疲弊したり、無責任に無鉄砲な振る舞いをして大事なものを失ったり、失恋・葛藤・痴話喧嘩の末、それぞれが自分なりの道を見つけ社会へ巣立って行く成長の物語

80'sファッションやカルチャーそのものに古さを感じるものの、その頃を描いた演出といっても違和感がないぐらい作品自体は古さを感じないところがまた不思議

デヴィッド・フォスターさんの音楽、そしてジョン・パーさんの主題歌"St. Elmo’s Fire"がメチャクチャよくて、いつも心に染み渡ります

観る度(歳を重ねると共に)に共鳴するキャラクターが代わり、毎回新鮮な視点で観ることができる、何度観ても本当に良いマイソウルムービーです

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Jett

4.5色褪せさせたくない映画

2021年8月19日
スマートフォンから投稿

「一流大学出身者なのに知性と教養が感じられない卒業生たちのその後を描く青春劇。登場人物たちはだらしなかったりいい加減だったり弱かったりで嘘と醜聞まみれでまともなやつがいなくて、舞台設定を間違えてるんじゃないかという印象が強い。当時としてはおしゃれな若者群像なのかもしれないし、けっこう有名俳優も出ているのだが、登場人物が安っぽいから作品が安っぽいテレビドラマのような軽薄な感じがする。」

と2014年に投稿がありますが、2021年現在でも、それは一流大学に対する幻想であり、多感な年頃に直面し得る心の葛藤を味うことがなかったか、あるいはスルーしてしまった寂しい方の感覚だと思います。ある意味エリート層の設定だからこそ成立していて、これほど若者の多様な価値観を普遍的に描いた映画は他に無いんじゃないかと、ある意味あの安っぽさこそがリアルなんだけどなぁ。内村光良がテレビで大絶賛したからこそ知った映画であり、それから30年以上経つ今でもほんとに感謝してます。

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axl rose
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