「ガンマン、転職を考えてみた」シェーン everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)
ガンマン、転職を考えてみた
どこから来たのか、
過去に何があったのか、
どこへ行くのか、
何も語らないShane。
Marianは死んだ奥さんか恋人に似ているのかなぁとか、
Starrett家が彼の理想像に近かったとか、
Shaneの心の内を妄想してみたり(*^_^*)。
Shaneに惹かれるも毅然とした態度を崩さないMarianに対し、Shaneと銃への強烈な憧れを隠しもしないJoey。
Shaneに焼きもちを焼く所か一目置いているような、少しお人好しで責任感が強く、愛妻家のJoe。
そんなStarrett家を愛するが故に、身代わりとなり去っていくShane!
ガンマン時代の終焉を描いた西部劇は他にもありますが、謎めいた優しい微笑みを浮かべる主人公からは、一際哀愁が漂います。
早撃ちの名手だけれど、拳の喧嘩となるとそれなりに殴られるShane。どこからともなくやって来たスーパーマン的助っ人ではない点が良いです。
たとえ分が悪くとも、正面から戦わずして逃げるのは恥だという開拓者根性、幸せな家庭こそ全てであり、家族を死守する剛健な気性を美徳とする内容でした。
更にこの作品が単なる西部劇では終わらない所に、長年評価される魅力があるのだと思います。
その土地は誰のものなのか。
先着順ならば、とうに順序は狂っている。
では、力尽くで土地を奪い、他人を排除した者が支配するのか。
それとも自衛に徹し、根気強く定住した者が勝ち取るのか。
開拓者側に愛国的な独立心を反映させていますが、かつての開拓者だった牧場主にも彼なりの言い分があります。そもそもそれはアメリカの建国に関わることであり、一筋縄ではいかない問題が見えてきます。現代なら、少し移民問題にも通じる気がします。
決定的なのは、よそ者を排除する手段で、禁断の一線を越えてしまうかどうか…。
先祖達は確かに武力で多くの土地を奪った。
しかし法治国家となった今、
ひとつ確実に言えることは、
人を殺めた者に安住の地はないのだ
とShaneの生き様が語っているようでした。
.....それにしてもJoey君、最後に走った距離からして、相当な体力の持ち主だね(^ ^;)。
“I gave up my independence 10 years ago today, but no man ever gave it up as easy as I did. And what’s more, I wouldn’t trade places with any man in this world.”
こんなこと言われたら幸せだよなぁ。
結婚は男の非独立記念日!(^。^)
“There’s no living with a killing.”