劇場公開日 1950年3月21日

「政治や思想は全く入り込んでもいません レアリズムそのものです これこそネオレアリズモの映画です」靴みがき あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0政治や思想は全く入り込んでもいません レアリズムそのものです これこそネオレアリズモの映画です

2021年10月29日
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鑑賞方法:DVD/BD

1946年4月27日公開
イタリアの降伏は1943年9月8日
とは言えイタリア戦線はドイツ軍と連合軍の戦いが続いており、戦いが終わったのは1945年4月29日のこと
つまり終戦から丁度1年目の公開です

同じ敗戦国の日本も物資のない中でも、何本か映画を公開しています
しかし日本では、本作のように占領下の世情を主題にした映画を撮るのはもう少し後になるようです

巨匠ヴィットリオ・デ・シーカのネオレアリズモの最初の作品です

馬は夢と希望の暗喩です
戦後の復興の中、子供達の将来の夢を重ね合わせた存在です

結局誰にも救いはなく、川に落ちて死んでしまう親友のように、夢や希望もないまま映画は終わります
それが現実であるのです
どうしようもない、抗うこともできない社会の現実
政治や思想は全く入り込んでもいません
レアリズムそのものです
これこそネオレアリズモの映画です

名作です

あき240