カジノのレビュー・感想・評価
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デ・ニーロとペシの絶妙に発火寸前の関係性が魅せるラスベガス一大絵巻
スコセッシ映画では時にデ・ニーロとジョー・ペシがタッグを組み、そこに第三者が入り込むことで黄金率が崩れて運命の終わりが訪れる。『グッドフェローズ』の第三者がレイ・リオッタだったとするなら、本作でその役目を負うのはシャロン・ストーンか。こうして三すくみ状態が出来上がることで、ラスベガスにてカジノ稼業を営み大成功を築いてきた男の転落劇が幕をあける。
ジョー・ペシの役柄は序盤からキレると誰にも止められない。早く厄介払いしたいのに、親友のデ・ニーロにはそれができない。で、そこに妻役シャロン・ストーンの本性発揮というか、最初は天真爛漫な美女だった彼女が、やがて金と薬物とアルコールで凄まじい怪物性をあらわにしていく姿は凄まじい。右はジョー、左はシャロン。かくして主人公の両足が思いっきり引きずり降ろされていく甘美かつ破壊的な崩壊劇が何よりの美酒だ。こういうの撮らせるとスコセッシは本当にずば抜けて巧い。
華やかなカジノの裏側と男女の愛憎劇
有力者への賄賂、イカサマを行う客への暴力的な対処、ギャングとの付き合いといった、華やかなカジノ運営の裏側にある世界や、男女の愛憎劇が面白い映画。欲にまみれた人間達の姿とその末路を描いた今作は、『グッドフェローズ』や『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のマーティン・スコセッシ監督らしい作品だと感じた。これら2作品の主人公と比較して、今作の主人公のエースは、真面目で節度ある人柄なため、そこまで悲惨な末路は迎えていなかったところが異なっている。
中盤以降は、エースとその妻ジンジャーとの愛憎劇が面白い。ジンジャーは、付き合っていた男にエースの金を渡したり、彼の金を持ち出して逃亡しようとしたのを咎められて逆ギレする。エースの信頼を裏切った自身に非があるにもかかわらず、彼を責めるジンジャー。この彼女の姿から、状況を冷静に認識できず、他責性が強く感情を抑制できない馬鹿な女を上手く描き出せている。エースも彼女の表面的な美しさに囚われてしまったのが失敗だった。
エースを演じたロバート・デ・ニーロは適役だった。他の登場人物には無い貫禄があり、この役にぴったりで、彼の俳優としての実力の高さを感じた。
ベストオブオープニング
あのオープニングが好き過ぎて作品自体は6回くらいの鑑賞ですが、オープニングのデニーロの乗った車が爆破されて ブッ飛んでるデニーロをスローで映しながらのあの曲とか最高過ぎてそこだけは600回くらい見てます(笑) とは言え少し見るとついつい最後まで見そうになるくらい面白くて重厚な作品なので定期的に見ようと思ってます。
しかしあの長尺をダレる展開も無く最後まで引っ張るのは職人すね。
何故か激しく長い夫婦喧嘩が印象に残った。シャロン・ストーンの体当たり的な渾身の演技も心に刻まれた。
マーティン・スコセッシ 監督による1995年製作(178分)のアメリカ映画。原題:Casino、配給:UIP
カジノを舞台とする1人のギャンブラー・ロバート・デニーロの成り上がりと没落を、大河ドラマ的に描いていて、感動こそ少なかったが、とても興味深く面白かった。。
ギャング達が支配している世界だが、デニーロ演ずるカジノマネージャーは極めて、仕事に真面目で献身的かつ有能で、有力者の縁故であっても怠惰で無能力な人間が許せないという性格に、大いなる共感を覚えた。まあそのことで、地域で力が有る有力者の恨みをかい、職を失うことに繋がってしまうのだが。
妻とした妖艶な詐欺師シャロン・ストーンが美しくゴージャスなんだが、結婚しても決して自分にはなびかず、うだつの上がらない紐男(ジェームズ・ウッズ)にずっと貢いでいるのが、何とも悲しく皮肉。美しかったストーンだが、酒とクスリ依存となり、お金を求めて狂乱的な行動を何回も取り、デニーロの友人ジョー・ペシも誘惑して懇ろの関係となってしまう。また、小男で強そうに見えないペシだが、それだけに勢いのある激しい暴力が、逃げたはずの海外で生き埋めされてしまう末路とともに、強く印象に残った。
またやけに激しく長い夫婦喧嘩にも、かなり驚いた。スコセッシ監督の失敗した何回かの夫婦生活のいざこざを、ココに曝け出してるのか?なんて思ってしまった。最後にはどうしようもない嫌な女ということで、デニーロにもペシにも匙を投げられ、紐男とも喧嘩別れし、美貌もなくし薬中毒で亡くなってしまうシャロン・ストーンの渾身の演技が、心に残った。
監督マーティン・スコセッシ、製作バーバラ・デ・フィーナ、原作ニコラス・ピレッジ、脚本ニコラス・ピレッジ 、マーティン・スコセッシ、撮影ロバート・リチャードソン、美術
ダンテ・フェレッティ、衣装リタ・ライアック 、ジョン・A・ダン、編集セルマ・スクーンメイカー、音楽監修ロビー・ロバートソン。
出演
ロバート・デ・ニーロ、シャロン・ストーン、ジョー・ペシ、ドン・リックルズ、ケビン・ポラック、ジェームズ・ウッズ。
1970年代ラスベガスのカジノをめぐる欲と暴力にまみれた人間模様を...
1970年代ラスベガスのカジノをめぐる欲と暴力にまみれた人間模様を描いた骨太ドラマ。
ロバート・デ・ニーロが主演を務め、ジョー・ペシが相棒ニッキー、シャロン・ストーンが妻ジンジャーを演じた。
そして砂漠に埋められる
脂の乗ったデ・ニーロもよかったけど、デ・ニーロを上回る存在感を見せていたのがジョー・ペシ。実はホームアローンに出てるのしかみたことなくてずっこけ泥棒役のイメージしかなかったけど、こんな非道極まる極悪マフィア役を見事に演じているとは…!いやめちゃめちゃ怖かったよ!グッドフェローズも絶対観なきゃ。
特に前半はテンポが速くて細かいとこついていけない部分もあったけど、まあ、とにかくマフィアが絡むカジノ経営を邪魔するとベガスの砂漠に埋められるってことだ。実話みたいだが、今でもこんなこと裏で起こっているんだろうか…?
シャロン・ストーンの底力
マーティン・スコセッシの作品は個人的にあまりハマりません。タクシードライバーも、グッドフェローズも、ギャング・オブ・ニューヨークも、ウルフ・オブ・ウォール・ストリートも。理由はよくわかりませんが。。。
で、その中でも飽きずに観れたのが本作。ボイスオーバーのリレーはちょっとやり過ぎ感がありますが、カジノの狂騒を再現した豪華なセットと疾走感ある演出が作品を牽引してました。
演者で良かったのは安定のデニーロでも無く、狂気のジョーペシでもなく、かのシャロン・ストーン。破滅的な女を熱演、底力を魅せてくれました。
ラスベガスに行く前にぜひ見ましょう。3時間と長いが引き込まれる。終盤のスピード感よし。
3時間と長く、途中で飽きないか心配でしたがすんなり見ることができました。
ですが、語りがとても多い。英語苦手な人は字幕で見た方がいいかも。
ニッキーとの友情、確執はとてもよく描けてるなと思います。切りたくても切れない、友達だし長い付き合いだし、、、その辺の葛藤がよく伝わりました。
見て後悔しない映画だと思います。グロ描写も内蔵の露出などのリアルな描写はないので、苦手な人も見れると思います。
ヤクザ映画に似たところはあるが、カジノという舞台は日本にはないため新鮮でした。ラスベガスに行く前にお勧めしたい作品です。
軽いタッチのマフィアもの
スコシ選手のライトサイドの作品です。
LVを牛耳るマフィアのお話で、さぞかし重くて暗いと思いきや、意外にも軽くサラっとテンポよく描いているので3時間の長丁場を飽きずに観ることができます。
デニーロ選手も段々みっともなくなって所詮小悪党という風情が良いですね。
チビ男君の悪党ぶりが秀逸です。
見ててイライラする駄作
往年の本場ラスベガスのカジノの雰囲気ってこんな感じなのか!というのがわかる、煌びやかな映像は素敵だったし見ていてワクワクした。
が、基本的に語りが多すぎて、はっきり言って興醒めした。
映画なのだから、ストーリーテリングはナレーションでなく映像と演技で見せてくれよ。。
あと、デニーロはいつどんな時でもタバコを吸っていて、ニッキーはいつもいつも爪楊枝を口に挟んでいて、
それぞれのキャラのトレードマークにしたいのか何なのか知らないが、逆にリアリティなくなってます。
この点も非常に興醒め。
あと、この1本の映画通して、何百回Fuck●n'という単語出てきただろう。。
出てきすぎて耳についちゃって後半以降だいぶイライラした。
役者も基本、早口でまくしたてるようにセリフ言うスタイルなんだけど、徹底してどの演者もそうしてたので、
たぶんそういう演出をすることで独自のカラーを出したいと言う意図があるのでしょう。
その意図が透けて見えすぎちゃってますます興醒め。
他の映画見りゃよかった。
しょーもないというか、けっこう見ててイライラする映画でした。
日本の実録ヤクザ映画と比べてみるのも一興かと思います
内容は実話だそうです
邦画風の題名をつけるなら「実録シカゴマフィア ベガス死闘編」か「ベガスの帝王」でしょうか
スコセッシ監督の観客を掴む握力はものすごく、3 時間があっという間です
ベガスに行ったのはもう10年ほど昔
本作のラストにあるように、今ではディズニーランドみたいな健全な観光地でした
公営ギャンブルの競技場や場外馬券売場のような殺伐とした感じは全くしません
世界中から集まる家族づれの観光客で賑わっていました
シルクドソレイユのショーなどの観光がメインで、博打はオマケみたいになっています
幕張メッセのような大規模コンベンション会場もあって仕事の出張先としていく人も多いくらいです
自分も仕事で行きました
とはいえ、どの超デカいホテルも1階がカジノで、フロアが東京ドームくらいあったりします
スロットマシンのコーナーは、日本のパチスロ店と見た目はそう変わりありません
それが恐ろしく広いというだけです
なんか大阪ミナミの大きなパチスロ店に迷います混んだ感じになるくらいです
でも、ポーカーや、ルーレットのテーブルはやはりカジノ!と感じさせます
花形なのでやっぱり中央にあります
みんなカジュアルな服装で、ちょいと小綺麗なくらいでドレスアップしてるような人は誰もいません
ネクタイしているのなんか従業員くらいでしょう
ストリップ大通りは土産物屋が並んで、子供連れの家族が大勢歩いてます
お目当てのショーをしているホテルまでぶらぶらしているのです
夜ストリップを子供連れで歩いても怖い思いをすることはまずないでしょう
ゴミすら落ちていなく、本当に見た目は清潔でした
健全な娯楽の街です
雰囲気は新宿というより、大阪ミナミの道頓堀のノリ
歌舞伎町の雰囲気ではないのです
ちょいとダークではなく、底抜けにネアカ
このニュアンスが伝わるでしょうか?
暴力は水面下に見えないように、完全にコントロールされています
凄みのある本物、半グレ、チンピラさえ見かけません
ナンパ師が交差点の信号待ちの女の子に声をかけまくってうろちょろしているくらいです
金、賭博、女、酒
清潔なわけがありません
今のベガスも一皮むけば、強烈な暴力の統制があるに違いないと感じさせもします
そこが歌舞伎町と違うのです
水面下に透けて見えるか、見えないかの違いです
本作はそんな歌舞伎町がともっともっとヤバかった時代のようなベガスの物語です
中西部のマフィアの親分衆がリアルです
日本の実録ヤクザ映画と比べてみるのも一興かと思います
蛇足
本作では日本人ギヤンブラーが序盤に登場します
金持ちの紳士でした
10年前のカジノでは中国人の連中が生意気な態度で大きな顔で博打していました
あんな態度ではいずれ締められるのではないかと冷ややかにみてました
いまはなんか米国挙げて締めているようです
スコセッシ×デ・ニーロ×ジョー・ペシ
未見であったため、アマプラで観ました。
ジョー・ペシのキレ芸がすごい。
シャロン・ストーンのキレイだけどヤサグレ女っぽさも素晴らしい。
同じ位の長尺でありながら、ネトフリの「アイリッシュマン」より、引き込まれました。
鑑賞後の満腹感
見たことあると思い込んでいたが、どうもはじめてだったらしい。
さすがに鑑賞後の満腹感がある。映画を観た、って気分にさせてくれる。ただこの組み合わせによる他作との比較になると分が悪い。スコセッシ、デニーロ、ペシときてハードル上げすぎたかな。
とにかく語りが多い。基本嫌いではない演出だが前半はずっと、さすがに字幕追いに疲れる。
展開もどうだろう、この尺の割には印象に残る場面が少なかった。
ちょっと、思ったのはこのときのシャロンストーンが物足りない。コンディションというか仕上がり具合が。男を狂わす役にしてはちょいピーク過ぎてたかな笑
でも、観れて良かった。グッドフェローズかなんかとごっちゃになってたのか、あるいはベガスのカジノ舞台の他映画とごっちゃになってたのか。。
最初から面白い
始まりの車の爆破シーンから目が釘付け。
モノローグが大半なのに面白い。
演出が丁寧だから、
今このキャラクターが何を思ってるかが手に取るように
分かる。
ニッキーとエースの全く相容れないのに、
最後の一線を超えない、裏切らない友情が熱かった。
デニーロとジョー・ペシが凄いのは分かるけど、
シャロン・ストーンの場を掻き乱すキャラクターが
魅力的でとても良かった。
近くにいたら絶対嫌だけど…
何年間の歴史なのか分からないけど、
予想屋から始まり、カジノを仕切り全てを失うまで、
丁寧だけどスピード感があってとても面白かった。
ホームアローンで何かこの人マジで怖いなぁと
思ってたけど、ジョーペシやっぱ怖いわ。
可愛い顔してるけど、怖い。
これが一番怖い。
名優達のプロの業
個人評価:4.2
スコセッシ名作中の名作。
デニーロとジョー・ペシの最強のコンビは見ているだけで鳥肌ものの掛け合い。新作のアイリッシュマンでは、性格的な立場が逆なだけに、対で見るとさらに面白味がます。
またシャロン・ストーンの悪母ぶりが凄まじく、ある意味でデニーロをも凌駕するはみ出しっぷり。名優達のプロの業が、スコセッシの指揮のもと奏でられている。
演技派女優になろうと必死こいてたころのシャロン・ストーン
ちゃんと演じられるのかいな、「あっ、今のところなかなか上手くなった」「あ、ここは相変わらず下手だな」と、シャロン・ストーンの演技をハラハラしながら観ていた、という印象しかありませぬ。
ギャンブルは嫌い
冒頭では車に乗り込んだデ・ニーロがいきなり爆破される・・・これが1983年。いきなり驚愕の映像から始まった。
『ディパーテッド』でも聴けた「ギミーシェルター」は本作でも聴けるが、選曲の良さはさすがスコセッシ。『グッドフェローズ』などと似たような雰囲気の映画だったけど、カジノのギャンブル面よりも裏側ばかりが描かれていた。エースとボス、それにスーツケース族と銀行など、複雑な裏側ばかり。それよりも人気の高い駐車係なんてのは俺向きかもしれない・・・
細かなエピソードが散りばめられているため、どうでもいいところが多いけど、ジンジャーの尻軽ぶり(結婚前は男を手玉に取るところが痛快だったようだ)やニッキーの異常性格ぶりが強調されていた。
中盤からは笑えるシーンもあるけど、終盤にはどす黒い暴力シーンが連発。やっぱりスコセッシ作品にはこれがなきゃ・・・。やっぱりデ・ニーロは生きていたけど、ベガスの古い体質がなくなったかのような巨大レジャー都市に変わったことに対して冷静な判断をしていた。やっぱりギャンブルなんてのは一時の夢なんだろうな・・・
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