「オルカの涙」オルカ みつまる。さんの映画レビュー(感想・評価)
オルカの涙
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『ジョーズ』の亜流として製作されたのがすぐに分かってしまうと言う欠点があるものの、オルカに高い知能と人間的感情を持たせることで、思わず画面に感情移入して見入ってしまいます。
シャチの妻子を手違いによって殺してしまったノーラン船長もまた、交通事故で自分の妻子を亡くしているところが本作のキモですね。
妻子の復讐に燃えるオルカに次々に仲間を殺されたノーラン船長が、遂には「お前は何者だ?!」と絶叫するシーンが出てきます。
彼はオルカの姿にもうひとりの自分を重ね合わせていたのではないでしょうか。
妻子を悪質な飲酒運転のドライバーに殺されてしまった彼の心の中では、絶えず怒りや憎しみが渦巻いていたことでしょう。
名匠エンニオ・モリコーネによる哀愁を帯びた情感あるメロディーが、この復讐の物語を一段と盛り上げでいました。
シャーロット・ランプリングの透明感のある美しさと共に、いつまでも心に残ります。
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