劇場公開日 2005年5月28日

「沖縄の言葉が聞き取りにくいんじゃないかと危惧していたが、聞き取りにくかったのはカメラマンの専門用語だった・・・」ニライカナイからの手紙 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0沖縄の言葉が聞き取りにくいんじゃないかと危惧していたが、聞き取りにくかったのはカメラマンの専門用語だった・・・

2021年3月3日
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鑑賞方法:映画館

 石垣島近くの離島・竹富島。人口は1000人ほど。船着場には、沖縄の海と空がまぶしく映える中、ポツンと赤い郵便ポストが立っている。生活は苦しそうだが、住民が助け合って生きている様子がよくわかる。6歳のとき、安里風希の母は東京へ旅立ち、郵便局長の祖父と2人暮しを続ける。母親は毎年1月24日、風希の誕生日に手紙を送ってよこすが、帰ってくる様子はなく、やがて風希が高校卒業を迎える・・・

 亡くなった父の遺影とともに父が愛用していたカメラに興味を持つ風希(蒼井優)。写真を撮ることの楽しさを覚え、やがてカメラマンを志すようになる。島では働き手が足りず、おじいには「海司(金井勇太)のとこの水牛の世話をせい」と島から出ることを禁止される。が、写真を撮りたいという自分の意志と東京に居る母親に会いたいという気持ちが強くなり、家を飛び出した。

 冷静に観ると、カメラワークの拙さや現地エキストラの未熟な演技によって興醒めする部分もあったのですが、後半一気に感動の波が押し寄せてきて、涙をこらえることができませんでした。9.11衆議院選挙による自民党大勝によって、郵政民営化が確実なものになった今観ると、おじいが務める郵便局長もその座を奪われることになるんだろうなぁ。などと、側面からも哀愁を感じ、娘の想い、母の想いが熱く交錯してしまう。そして、「うつぐみ」という伝統的な相互扶助の精神。つらいことがあっても「なんくるないさぁ~」と声をかけたくなりますね(使い方違う?)

 この感動を生むこととなった大きな要因は蒼井優と南果保の演技力。蒼井優の魅力全開、将来がとても楽しみです。

【2005年9月アートホール・・・だっけかな?】

kossy