劇場公開日 2001年3月10日

「油まみれの鳥たち」映画ドラえもん のび太と翼の勇者たち kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0油まみれの鳥たち

2020年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 湾岸戦争などで油まみれの鳥の写真が話題となったころを思い出してしまう。人間の勝手な戦争(情報操作とも)、もしくはタンカーの油漏れ、とにかく鳥たちは人間と共生することができなくなったと感じたバードピアの鳥人たちが自分たちの世界へと鳥を移動させた。その謎は出木杉くんでもわからないほどだったのだ。

 バードピアのジーグリード長官が人間に撃たれたこともあることから人間たちを敵視していて、フェニキアという怪物を使って人間世界を滅ぼそうと考えていた。そんな時にのび太たちは人力飛行機を操る鳥人グースケを追って、バードウェイと呼ばれる時空間を通ってバードピアにやってきてしまった。

 ガーゴイルのような警備隊。伝説の鳥人イカロスや彼の名にちなんだイカロスレースなど楽しめる部分はいっぱいある。しかし、バードキャップを被っただけで人間と見破られないところや、ジャイアンとスネ夫が渡り鳥警備隊に入隊するとか、不自然な部分もいっぱい。それにドラえもんは危機を脱しようとして秘密の道具をいっぱい落としてきている・・・

 また、伝説の鳥人イカロスが監獄塔に自ら入ったり、翼が燃えてしまうといったギリシア神話に基づいているところは面白いのだが、彼の存在価値がそれほど見出すことができない。フェニキアという怪物について知ってることや、飛べないグースケの赤ん坊のエピソードに関わっていたことだけ。それよりも鳥野博士のホログラムの方がSF的で面白い。未来からやってきた鳥好きの博士が自然のルールを無視して鳥たちを勝手に進化させたという、ある意味マッドサイエンティストだったからだ。これだけでも面白いのに、フェニキアを退治するのにタイムマシンを使うという荒唐無稽な展開で腰を抜かしそうになった・・・ある意味、予想通り。そう考えたらドラえもんの道具も罪深いものがあるし、パラレルワールドだからといって好き勝手に生態系をいじくっても倫理的に許されるのか?などとは子供たちは考えないだろうな・・・ふっ。

もうしずかちゃんのヌードは見れないのか・・・

kossy