「海が見つめた悲しき叙事詩」連合艦隊 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
海が見つめた悲しき叙事詩
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DVDで3回目の鑑賞。
大日本帝国海軍が世界に誇った連合艦隊の興亡を太平洋戦争を俯瞰する形で総括した、松林宗惠監督の集大成となる大作。
大切に守り育てた息子を送り出す父と母の心境。様々な想いを胸に戦場に赴く若者たち。彼らの無事な帰りを祈る人々。…
戦争を経験していない私には想像をたくましくするしかありませんが、その心情を慮ると涙が止まりませんでした。
中野昭慶特技監督が描く戦闘シーンのスペクタクルは筆舌に尽くしがたい迫力があると共に、本編と相まって、戦争の悲惨さを克明に浮き彫りにしていました。
クライマックスで描かれた戦艦大和の壮絶な最期は忘れられません。中野特技監督が得意とする紅蓮の炎が大和を包み、天にも昇る勢いの火柱を伴った大爆発…
それはまるで連合艦隊の断末魔に思えたと共に、人々の想いを焼き尽くし、容赦無く呑み込んだ墓標のように見えました。
根拠無き精神論・根性論、十死零生の戦法である特攻など、無謀かつ神頼み的ないい加減さで戦争を遂行しようとした当時の軍部に、怒りしか覚えませんでした。
夢や希望、愛や喜びを残酷に奪っていく戦争は、決して繰り返して良いものではなく、未来永劫起こらないように努力しなければいけないと痛切に感じました。
※以降の鑑賞記録
2020/08/29:WOWOWシネマ
2020/10/18:Blu-ray
2023/04/07:Blu-ray
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