劇場公開日 1974年8月3日

「ルパン三世 邦衛の次元はやばいぜ」ルパン三世 念力珍作戦 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ルパン三世 邦衛の次元はやばいぜ

2020年9月4日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

悲しい

楽しい

企画赤塚不二夫&中山千夏
ルパン三世の名を借りたナンセンスなコメディー映画

かなり昔の作品で映画館では当然観る事ができなかった
カリオストロの城やニューシネマパラダイスやローマの休日のように時が経ってもなおたびたびリバイバル上映されるような永遠の名作ではない
ツタヤでもゲオでもサンホームビデオですらない個人経営のレンタルビデオ屋さんにこれが置いていた
当時はレンタル開始されて間もない頃だった

15年前ならあまりの衝撃で星0.5だがこの年で改めて観るとそれほど酷くはない
ルパン三世として観ると頭にくるわけで70年代のコメディー映画として観るならまずまずといったところだ
最近の作品ではなかなか観たことがない演出が散見
漫画チック

視聴率的には失敗に終わったアニメ第1シリーズと国民的アニメになった第2シリーズの間の時期に作られた実写映画
そういうこともあり小栗旬版ルパン三世とは事情が全く違う
こっちのルパン三世は原作もアニメもリスペクトなんて微塵も感じない

アニメが迷走して失敗したから今度は大人向けの自由な実写映画を作ったらどうかと制作されたのかもしれない
やっぱりアニメだよねって結論が出たターニングポイントが念力珍作戦

タイトルは念力だが内容は全く念力的要素がない
70年代ならではの適当さ

エロいが女性のヌードは一切ない
コント55号が野球拳をやる番組と同じ程度のエロ
健全である

モノクロの無声映画を彷彿させるほのぼのとしたBGMが印象的

こうしてみると田中邦衛演じる次元大介も酷かったが伊東四朗演じる銭形警部も相当酷い
たしかに酷いがあまりのハッスルぶりにこれはこれでいいかなと思えてしまう
喜劇人伊東四朗に脱帽
彼の大健闘だけで星一つプラス

いくら小栗旬版ルパン三世に不満があるとはいえだからといってこの作品に星3つ以上はヒステリックで上底評価
客観的に冷静な判定をすると必然的に星2つ以下が妥当
これが本当に星3つ以上の作品だというなら五右衛門が登場する続編が製作されているはずだ
これっきりということはつまりそういうことなんだ

いつのまにか終わってしまうがルパン三世ならではの見せ場は全くない
ハードボイルドが足りない
カッコよくない
ダサイ
駄作である
異論は認めない

あと「首実験」などという言葉があることを初めて知った作品でもある

野川新栄