劇場公開日 1956年9月12日

「大映4K映画祭にて再見」夜の河 たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0大映4K映画祭にて再見

2023年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

角川シネマ有楽町にて鑑賞。
この映画、9年前に観ていたが、「大映4K映画祭」で<4Kデジタルリマスター版>が上映されたので久しぶりに鑑賞。
やはり、京都の染物屋での染物が鮮やかな色彩となっており、主人公の舟木きわ(山本富士子)と大学教授(上原謙)が初めて一緒になる場面での夕陽の色が綺麗であった。

ただ、今回の『夜の河<4K版>』、音質も改善されたのかクリアだったが、クリア過ぎて「山本富士子や若い女性の高い声がキンキンと耳に突き刺さる感じ」がちょっとキツかった(^^;
これは映画館ならでは…の音響によるのかも知れない。
(若尾文子のように円やかな質感の声だったら良かったかも…)

物語は、京染老舗の娘=舟木きわ(山本富士子)が、仕事一筋に父親(東野英治郎)と一緒に染物づくりに専念してアラサーだが結婚せずにいる。
そこに、岡本五郎なる画家(川崎敬三)が舟木きわに恋慕するものの、彼は子ども扱いされる。
そこに、大学教授(上原謙)が現れて、舟木きわと深い仲になる。
…まぁ、本命の上原謙が登場だから、そうなるのが普通(笑)

川崎敬三だけでなく、舟木きわの商売手助けをしながら下心丸出しの男(小沢栄)が、いい味だしていて、笑える(笑)

吉村公三郎監督の初カラー映画で、それを撮影監督の宮川一夫が補ってあまりある「カラーが綺麗な映画」になっている。
山本富士子は「五社協定問題」で大映退社後、かなり辛い思いをしたそうだが、この映画は山本富士子の代表作と言える。彼女の熱演が伝わって来る佳作。

<映倫No.2256>

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たいちぃ