四畳半色の濡衣

劇場公開日:

解説

さまざまな娼婦たちのエピソードをちりばめながら、一人の娼婦と青年医師の恋を描く。野坂昭如の同名小説の映画化で脚本は阿部桂一と片岡修二の共同執筆、監督は「おんな6丁目 蜜の味」の向井寛、撮影も同作の鈴木史郎が各々担当。

1983年製作/83分/日本
配給:東映
劇場公開日:1983年3月12日

ストーリー

昭和七年。夏のある日、遊廓の並ぶこの界隈には、ひどく不似合いな洋装の娘が、旭楼に訪ねてきた。その娘は、朝子といって年齢は十八。旭楼の主人夫婦、源造とみねは、久しぶりの上玉なので、六百円の現金を手渡した。朝子はその金をすぐに電信為替で、ある病院に送った。旭楼には年齢順に、政江、宮子、はな、たみ、久子、ふみ子、ゆきという女郎がいる。年かさの連中にいじめられながら耐えに耐え、やがて朝子は、水揚げされた。ある日、久子とケンカして階段を転げ落ちた朝子は、かつぎこまれた近くの杉山病院で、そこの跡取りの若い医師・昭彦の治療を受けた。朝子が退院して間もなくのこと、病弱のゆきが喀血した。そのゆきに客を取らせようとする源造。往診にかけつけた昭彦は、怒って自分の財布を投げつけた。ゆきが息を引きとったのは、それから間もなくのことだった。女郎なんて死んでも葬式さえしてもらえない!あまりの悲しみに号泣する朝子を抱きしめる昭彦。二人は初めて激しい愛に燃えた。五日も旭楼に居つづける昭彦に、杉山夫妻は早く手を切れと怒り狂うが昭彦は耳を貸さなかった。やがて昭彦のフィアンセ美佐が、朝子のもとにやってきた。昭彦に近づくな、と迫る美佐に、女郎たちがいっせいに悪態をついた。数日後、人目を盗んで廓を抜け出した朝子は、昭彦と落ち合って、安宿に身を隠し、命のかぎり愛し合った。その足で二人は朝子の母・美代のいる精神病院を訪れた。美代は夫・篠原清治がアカの嫌疑を受けて、拷問の末、獄死して以来、気が狂っていたのだ。旭楼に帰った朝子は宮子が訪ねてきた恋人と心中事件を起こしたとき、憲兵に逆らったことから、捕えられ、父同様の責め苦を受けた。許されて旭楼に戻った朝子に、昭彦の父・杉山が多額の手切れ金を持ってきた。そこに電報--。シノハラミヨ、シス。すべては終った。朝子は女郎たちに札束を分け与えると、赤い長襦袢のまま、白一色の雪の戸外へ歩みだし、そして消えた。

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