劇場公開日 1977年10月29日

「松本清張みの強さ」八つ墓村(1977) ipxqiさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5松本清張みの強さ

2020年5月24日
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「砂の器」の布陣なので当たり前と言えば当たり前かも知れませんが、今見るとロングショットに物哀しいストリングスのテーマ曲がかかるところとか、横溝正史というよりは、ザ昭和の松本清張感がすごい。
少し前に一度観てまた今回2度目。
若くて寡黙な役柄のショーケンは、美男ではないけどセクシー。山本陽子も小川真由美も麗しく、目の保養にはなります。
2時間半のうち2時間までは楽しめたのですが、残りの30分がめっちゃ長く、正直睡魔との闘いでした。
テーマ的には「ヘレディタリー」的なオチですが、途中まで推理ものの流れを取りつつ、強引にそこへ急カーブを切るのはさすがの橋本忍でもかなりの力技感が否めません。
貴重な渥美金田一は、がんばって心の眼で寅さんに見えないようするので精一杯でした。
独特な地形を持つ村のロケーションとか、祭りや葬式の風俗など画面の楽しさもあります。
ただやっぱりあのオチは、頭ではわかっても、気持ち的に納得できないものが残るのでした。
無粋とは思いつつ、ホラーなのか推理なのかはっきりして、とつい言いたくなります。

ipxqi