劇場公開日 1937年8月25日

「天才監督による悲劇的人情時代劇、1937年公開」人情紙風船 chakurobeeさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5天才監督による悲劇的人情時代劇、1937年公開

2015年3月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

天才的映画作家の山中貞雄は、戦前に多くの優れた映画を監督しましたが、本作は彼がなんと27歳頃の作品で、1年後に日中戦争に召集されて戦病死した結果、遺作となってしまいました。
名画の評判高い「人情紙風船」を録画版で観ました。江戸時代の様々な人が暮らす貧乏長屋を中心舞台とした悲劇的結末で終わる人情ものに分類される映画といって良いかも知れません。戦後の(白黒)時代劇映画に大きな影響を与えたシーン、プロットがいくつも想像できました。しかしながら、作品全体としては、今ひとつ印象に残らず、焦点の弱さが残ってしまいました。映画史上、一見の価値はあるが、個人的には、二度目は観ないだろうに分類される映画と思われました。

chakurobee