劇場公開日 2000年2月19日

「 父親を黒人に殺された経緯があるため、極端な人種差別主義となったデ...」アメリカン・ヒストリーX kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 父親を黒人に殺された経緯があるため、極端な人種差別主義となったデ...

2018年10月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 父親を黒人に殺された経緯があるため、極端な人種差別主義となったデレク。「アメリカはヨーロッパの白人が繁栄させたんだ」といきまく姿がおぞましい。エドワード・ノートンがまた似合っているのだ。ハーケンクロイツの刺青、DOCというネオナチグループを結成していた。たまたま家の車を盗もうとした黒人を撃ち殺してしまったために刑務所行きとなったが、雰囲気からしても更正できるはずがない・・・と、そんなノートンだったのに出所後は人が変わったように改心していたのだ。そして、ネオナチの先鋒になっていたのが弟のダニー(ファーロング)。

 憎しみ、怒り、全ての憤りの矛先を黒人、黄色人種、ユダヤ人に向けていたデレク。刑務所ではレイプもされるし、いいところはひとつもない。弟の面会には応じなかったが、母親や校長の面会は受け入れた。「家族を守ること」そして「怒らないこと」。

 過去においては悪のヒーロー扱いもされていたようなデレク。DOCの会合ではいきなり脱退を申し出る・・・それにしても歓迎会でヘビメタのコンサートまで付いているとは・・・なんだかネオナチの象徴がヘビメタであるような気もしてくる。そういえばヘビメタバンドって、黒人がいないような気もする。

 弟も「家族を守る」ことに納得して、兄の気持ちを受け止めるが、事態は抗争にまで発展しそうになり、弟が悲惨な結末を迎える。なんともやりきれない。死んでからも弟の「アメリカン・ヒストリーX」の宿題が続く・・・

kossy