劇場公開日 1992年10月3日

「“やつ”が最高に格好良い」鉄男II BODY HAMMER 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5“やつ”が最高に格好良い

2019年6月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

シネマシティでのリバイバル上映、前作に続き行って来ました。
タイトルには「2」とありますがいわゆる続編ではなく別物の物語。
と言ってもベースとなるパーツは結構あるので、そんな違和感はないと思います。そしてカラーです。
今回はSF要素を入れており、SFサイバーパンクと言ったところでしょう。
前作よりストーリーを見やすくしており、エンターテイメント性を含んだ作りになっています。
しかしながらやはり塚本晋也、間違いなく「鉄男」なんです。
蛇のようなカメラワーク、響き渡る金属の轟音、全体を覆う狂気。
さらにスピード感が出てアクション性が増しましたね。
そして本作も監督自身が“やつ”として出演。これが色もあり最高に格好良いんです。
特に直接対決の所なんてゾクゾクが止まりません。
それだけ今作は“やつ”の存在が大きかったです。
あと今観たからこその発見もありました。
昔読んだコメントなんですが、“やつ”のモヒカンはスコセッシの「タクシードライバー」がモデルらしいんですよ。
そして巡り巡って今ではスコセッシの作品に出演するようになるとは、当時は思っても無かったでしょうね。何だか面白いものです。
今作は緩急をつけた作りでうまく前作と分離していると思うし、また違った鉄男を楽しめました。
この後制作された「鉄男 THE BULLET MAN」もまた違った作りなので、どの順番から見ても楽しめるのが嬉しいですね。
いつかまた次の「鉄男」を観てみたいものです。

白波