劇場公開日 1981年12月19日

「希有なアイドルの魅力を爆発させています」セーラー服と機関銃 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0希有なアイドルの魅力を爆発させています

2019年12月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

素晴らしい!
見事な映画だった
相米慎二の確かな実力を感じました

希有なアイドルの魅力を爆発させています
女でなく母性の清潔な魅力です

原作小説の通り荒唐無稽な喜劇ともいえる内容であるにもかかわらず、しっかり任侠映画として成立しています
高倉健や富司淳子の系譜を繋いでいるのです
劇中何度も登場するビル群の中の墓場
あれは映画「仁義の墓場」で登場する石川力夫の墓がある新宿7丁目の常円寺です
つまり監督は何度も過去の任侠映画と地続きの作品だと宣言しているのだと理解しました

たまたまなのか必然なのか東映で配給されたのも不思議な縁です

渡瀬恒彦のおとこぶりの迫力は流石です
素晴らしい演技です

伝説となった薬師丸ひろ子の機関銃乱射シーンは現実の事故だけに彼女の顔面の出血に顔色を変えて気遣う渡瀬恒彦の動き!
まかり間違えば失明もありえた大事故なのだから当然と言えば当然ですが、それにしてもこのシーンは神がかった映像が撮れています

大ヒットした主題歌はラストシーンにかかります
この曲がまた名曲である上に薬師丸ひろ子の歌唱が実に素晴らしいので特に注目して頂きたいものです
この曲は彼女を一大スター歌手に押し上げただけでなく、本作自体を空前の大ヒットに導いています

あき240