劇場公開日 1973年12月29日

「ケン13」ゴルゴ13(1973) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ケン13

2023年4月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

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説明不要。さいとう・たかをの長寿名作コミック。
映像化としては1971年に初めてTVアニメ化されたが(今となっては幻の作品らしい)、映画化は本作が初。しかも実写。1973年の作品。

しかしさいとう・たかをは映画化に乗り気ではなく、諦めさせようと「オール海外ロケ」「主演は高倉健」と無茶な条件。
ところが東映がその条件を全て呑み、本当に映画化となったそうな。
『ゴルゴ13』は1983年の劇場アニメかOVAくらいしか見てないが、仕事の範囲はワールドワイドだし、モデルは高倉健と言われているから、ある意味理想通りの映画化。

某国秘密警察から国際犯罪組織のボスの暗殺を依頼されたゴルゴ13。
素顔は分からず、有力な情報はイラン国内に潜伏のみ。
ゴルゴはテヘランに入り、照準を定めていく…。

全編イラン・ロケ。異国ムードは充分。
キャストもイラン人。全て日本語に吹替られており、山田康雄や富田耕生らベテラン。
何だか午後のロードショーで70年代の洋画アクションを吹替で見てるようは感じ。

原作コミックやアニメの一話分を100分に伸ばした感じで、テンポの悪さや間延び感が否めない。
一応スナイパー・アクション、捕まり拷問や人質を取られてのピンチ、ヘリからの襲撃などアクションは盛り込んであるものの、どうも全体的に締まりが悪く、スリルにも欠ける。
アニメ版で見たハードさやハードボイルド感も感じられず。
健さんのゴルゴもスナイパーと言うよりアウトローな感じ。

ファンからは黒歴史なんて言われ、さいとう・たかをも不満を示しているそうだが、健さんは海外ロケとクールな役を楽しみ、我々も貴重な“ケン13”を見れただけでも、まあ良しとしよう。

近大