現代任侠史

劇場公開日:

解説

企業化を目的に、抗争から協定への移行を図る現代暴力団絵図の実態の中で、恋と義侠心の板ばさみとなって燃える残侠の男の姿を描く。脚本は「人間革命」の橋本忍、監督は「やさぐれ姐御伝 総括リンチ」の石井輝男、撮影は「女番長 感化院脱走」の古谷伸がそれぞれ担当。

1973年製作/96分/日本
配給:東映
劇場公開日:1973年10月27日

ストーリー

銀座“寿し銀”の主人・島谷良一は、筋金入りの元松田組の最高幹部であったが、母の死により、約束されていた二代目の地位を捨て、やくざ渡世から足を洗っていた。良一が去ったあとの松田組は、先代の実子である初治が二代目を継ぎ、若者頭である中川、分家の船岡といった屈強な若者達で構成されていた。ある日、大阪の永井組の若者頭・栗田光男が、縄張りの競争阻止等の連合会結成を提案すべく上京した。関東懇心会の世話で関口組々長・関口が音頭をとり、各組の親分が招集されたが、永井組の関東進出、関口の松田組の縄張り乗っ取りの策略とにらんだ松田は、この提案に反対した。その頃、南方で戦死した良一の父の遺品である銘刀・備前宗近が米国の博物館に保管されていることが判明し、良一は渡米してその刀を引きとった。マスコミはこの事を大々的に報道した。ルポライターの仁木克子もその一人で、克子は良一の律儀な性格に好意以上のものを抱き始めた。一方、関口の松田に対する挑発が始まった。抗争を未然に防ごうとする船岡は激しく松田に詰めよった。窮地に立たされた松田は、ある日、良一に世話になった礼を云い残し、単身関口組へ殴り込み、凄惨な最後を遂げた。良一は殺気立つ中川を説得し、仲裁に入った栗田は何とか手打ちを行った。だが栗田は、自分の親分である永井と関口が裏で手を結んでいることを知り、最後の頼みの綱である政界の黒幕・湯浅正一のもとへ向った。一方、船岡は、自分が松田を死に追いやったことを悔み、勝気な女房・エリと二名の子分を伴って、永井と関口が密議を行っている神戸へ乗り込んだ。だが、これは関口が書いた絵図で、東名高速で関口組のダンプに襲われ全員殺されてしまった。個人の利益しか考えない湯浅の胸中を知った栗田は、死を覚悟のうえで永井と関口に詰めより、一日も早く連合会を実現させ、関口に会長の座を与える代りに、松田組から手を引くように確約を得た。栗田の力で抗争は終結したと思った良一は、上京する栗田を中川が駅に迎えに行っている間、イキのいい寿しを握っていた。その時、二発の銃声が良一の手を止めた。外には絶命した中川、駆けつけた良一の腕の中で栗田は息を引きとった……。三日後、父の死地であるペリリュウー島から帰国した良一の手には、あの備前宗近と、克子から湯浅の家に永井と関口が一堂に会しているとの電報が握られていた……。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0やっぱり何か一味違うな

2022年11月15日
PCから投稿

同じ俳優ばかり使ってたくさん作られたこのシリーズ。2、3作目見て面白くなかったのでこれを見てみた。橋本忍脚本なら何か違うだろうと思って。そしたらやはり何か一味違ってジーンときた。途中「どうしようもねえなこの脚本」と思ったこともいっぱいあったけど。しかし映画脚本っていうのはラストシーンのためにあると言っても過言ではない。ラストがとても良かったからさすが橋本忍なのだろう。高倉健が別れ際に言う言葉が心に残るね。
難を言うと主人公の心がどの程度カタギの心になっているかリアルに描けていない。そのせいで高倉健がどう演技していいか分からずオドオドしてるように見える。橋本忍の実力ならちゃんと描けたはずだ。描けなかったのは企画の性質上、尺が90分と決められていたのだろう。全体的にダイジェスト版みたいになってしまっている。

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タンバラライ

4.0男は黙って、怒る姿が、カッコイイ

2021年6月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

 ちょうど大学に入ったころの映画、上空からの首都高速の映像やゴルフ場、競馬や競艇など、日本経済が活況の様子も振り返れて面白く見れました。健さんはいつものごとくかっこいいのですが、梶芽衣子さんの目が大きく超美人でした。「行かないで。」と泣きつかれても、抱きしめてから、男の意地と義理人情を果たしに行く姿が泣けます。
 そうそうたる往年の俳優陣がすごい、田中邦衛さんや夏八木勲さんなどみんなあっちに行きましたね。最後のシーン、悪役を切り捨て、背中の入れ墨を見せて死んでいく健さん。昔はこれぞ、男の美学、昭和は遠くなりました。

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茶々丸

3.5間違い訂正

2021年6月7日
Androidアプリから投稿

この記事のキャスト表に誤りがあります。藤山寛美さんは出てません。仁鶴師匠の間違いです。
映画はそれなりに面白い。

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ごいんきょ

3.5脚本は橋本忍

2021年5月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

その後の高倉健への橋渡しのようなヤクザ映画で、脚本が橋本忍でヒロインは梶芽衣子。
足を洗い、寿司屋をしている主人公(高倉健)のもとに、戦時中、主人公の父親に世話になったと関西の極道(安藤昇)がやってくる。
取材で知り合った女性記者()と恋仲になり、結婚を約束する。
元の組が関西から進出してきたとやり合うことになり、否応なく巻き込まれていく。
じっくりと見せてくれるヤクザ映画だ。

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いやよセブン
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