君は僕をスキになる

劇場公開日:

解説

クリスマス・イブをめぐって四人の男女の恋愛模様をコミカルに描く。脚本は野島伸司、監督は渡邊孝好で共にこれがデビュー作。撮影は「ガンヘッド」の藤沢順一がそれぞれ担当。

1989年製作/102分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1989年11月3日

ストーリー

浜田知佳・25歳、誰よりも積極的にアプローチするがイブの前になると振られてしまうというジンクスを持つ。神林苫子・25歳、恋人を探すよりもプリンを作って好きな本でも読んでたほうがいいという内気なタイプ。性格は全く違う二人だったが唯一共通しているのは、クリスマスイブに彼氏と過ごしたことがないということだった。一方、知佳が勤務する会社に、「野性の太宰享輔、知性の芥川純平」と呼ばれている二人の男がいた。ある日、偶然街角で苫子と出会った純平は一目惚れしてしまう。引っ込み思案な苫子も、そんなさりげなく控えめな純平にある種の好意を抱く。かたやプレイボーイの享輔は仲間から無理矢理恋人宣言させられることになり、とっさの思いつきで知佳を指名してしまうが、とあるカフェバーで苫子と出会った享輔は彼女に思いを寄せてしまうのだった。苫子は知佳の相手が享輔であることは知らずまた享輔も苫子が知佳の友人であることは知らない。当然、知佳が苫子と享輔の仲など知る由もないが、そんな三角関係にいち早く気付いたのは純平だった。しかし、彼の心配をよそに苫子にアタックする享輔は、彼女の勤務先にまで押し掛ける始末。苫子も最初は迷惑していたが、次第に享輔に惹かれていくのだった。一方、知佳は享輔のことで頭が一杯という感じで、純平はそんな知佳にやさしい言葉で接するのだった。それからしばらくたって、純平から苫子が知佳の友人であることを知らされた享輔は悩んだ末、知佳に「自分が本当に愛してるのは、苫子なんだ。」と告白してしまう。傷つき落ち込んでしまう知佳。そばで見ていた純平は、享輔を殴った。そして、そのことを知った苫子もまた傷つき、享輔に怒りを覚えるのだった。だが、知佳はなんとか苫子と享輔の仲を取り持たせようとした。純平はいつしかそんな知佳に思いを寄せるようになった。クリスマスイブの夜、享輔は苫子を誘った。知佳の思いやりにも関わらず、ふっ切れないでいる苫子だったが刻々と時間が過ぎていくにつれ落ち着かなくなり、遂に雪の降る公園へと駆けていった。そこで寒そうに震えながら何時間も苫子を待っていた享輔に「君は僕をスキになる」と苫子はつぶやいた。そして、そのころ知佳のところにも、出張中の純平から“メリークリスマス”の電話が掛かってきたのだった。

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映画レビュー

2.5あなたはこの映画をスキになる

2020年9月23日
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鑑賞方法:DVD/BD

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1989年の和製クリスマス・ロマンチック・コメディ。
秋元康が企画、野島伸司はこれが映画脚本デビュー、渡邊孝好はこれが映画監督デビュー。

偽自殺がきっかけで出会ったOLの知佳と苫子。
失恋続きの知佳と恋愛下手な苫子。共にクリスマス・イヴに恋人と過ごした事が無い。
ある日知佳は、人気No.1イケメン社員にお遊びで恋人に選ばれる。同じ頃苫子は、眼鏡を拾ってくれた事がきっかけで一人の男性と出会う。
2組の男女のトライアングル・ラブ。
近付くクリスマス・イヴ…。

山田邦子と斉藤由貴の異色のW主演。
山田はさすがのコメディエンヌぶり。前半のウザさは素では…?
山田に連れられるかのように、斉藤もコミカル演技。犬にだってなります!
前半地味だった2人が、美しく魅力的に。この手の作品の鉄板。
終盤、親友の為に一歩引く山田がイイ女。
同じく終盤、選んだ相手の元へ急ぐ斉藤のキュートさ、健気さ!
そのシーンを最高に盛り上げるのが…

クリスマスと言ったら、これ!…と言うくらいの名曲。
山下達郎の『クリスマス・イヴ』。
本作のテーマ曲だったとは。
シーンも曲も本作のハイライトと言えるだろう。

明らかにハリウッドを意識したような他愛ないロマコメ。
でも、邦画にはこういうクリスマス・ロマコメはなかなか無く、バブル期を表すような軽妙さ、主演2人の軽快なやり取り、山下達郎の名曲。
名作ではないが、時代や雰囲気は良く、やはりクリスマスの時期に見たくなる。

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近大