「こんな尖ったものをよくぞ作った」王立宇宙軍 オネアミスの翼 bionさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな尖ったものをよくぞ作った
今の地球とは、異なる文明として発達したパラレルワールドにある地球。制作陣は、完全な異世界を目指したというが、その言葉に偽りはなく、言語、服装、建築物、電車、料理、貨幣に至るまで今まで見たことがない文明世界が構築されている。
その反面、ドラマ部分が弱い。登場人物のバックボーンが描かれていないため、彼らの行動の多くが唐突に感じる。
なぜ、宇宙を目指さなければならないのか。明確なストーリーラインがないまま終盤に突入するが、終盤で登場する戦闘機、戦車などのメカのクォリティが凄い。被弾して墜落していく戦闘機の様子は実写以上の迫力がある。
ロケットの打ち上げのディテールも尋常ではない。見たことのない形状のスイッチ、異世界数字が表示される真空管、ロケットのデザインは、異星人のそれではないが、ギリギリ人類のものだと判別できるフォルムをしている。
ヒットする要素は全くなし。こんな尖ったものをよく作った。そんな作品でございます。
4Kリマスター版公開にて
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マサシさんのコメント
2022年11月5日
そうですね。正に何故宇宙に行くべきなのか。が抜けていますね。
すごく共感します。つまり、現実の宇宙に対する作られたロマンも同じなのではないでしょうか。共感します。