劇場公開日 2022年10月21日

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「セピア色のラストシーン」明日に向って撃て! KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5セピア色のラストシーン

2020年9月11日
PCから投稿

ストーリーが、どこに向かって行くのかよくわからない映画だった。冒頭のセピア色のシーンが迫力的かつ芸術的だった。音楽の選び方、使い方、その音楽が流れている最中のカットワークの仕方に監督のセンスが溢れていた。中でも特に自転車のシーンが。あの音楽の使い方によってあの男女がどういう仲であるのかとても短い時間でしっかりと見るものの心に刻み込まれる。そしてその男女の性格まで伝わってくる素晴らしいシーンだった。
ただこの映画のラストの部分に女性の方は出てこない。普通、こういうあらすじだと最後には女性も巻き込まれて主人公たちと同じ結末を迎えるとか、それは描かれるものである。しかしこの映画では彼女がどうなったのか全く描かれていない。なぜならこの映画は二人の男たちの映画だからである。男たちの友情と言うか関係と言うか、つながりと言うかそういうものを描いた映画なのだ。女性がこの映画に登場するのは彼らがホモセクシャルではないということを表現するのが目的だ。また映画に花を添えるのにも女性が必要だった。だからこの女性の存在は映画の中で重要ではあるけどもメインであってはならないのだ。

皆さんが知らなさそうなことをついでに書いておこう。
サンダンス映画祭というアメリカ人ならだれでも知っている有名な映画祭がある。この映画祭をはじめたのはロバート・レッドフォードである。サンダンスというのはこの映画での役柄の名前だ。サンダンス映画祭は映画祭であると同時に映画と脚本のコンクールでもある。映画業界というのは特殊なコネクションを持ってないと入れない狭い世界である。しかし、このコンクールはそういったコネがなくても入選することができ、新しい感覚を持った監督が生まれる可能性の高いコンクールと認識されている。このコンクールをきっかけにしてデビューした有名な監督はタランティーノとロドリゲスだ。実は私もこのコンクールの脚本部門に応募したことがある。このコンクールの応募規定は非常にハードルが高かった。すでに映像関係のプロとして何らかの仕事をしており、かつまた新しい技術ががそこに含まれていないと応募できない。私は応募要項に事実を多少誇張した事を書いて応募してみた。そしたら一次選考を通過した。しかし誇張がバレるとヤバいと思って2次選考は辞退した。チャンスが得られなくて残念であった。
どなたか、我こそはと思う人は応募してみたらいかがだろうか?

タンバラライ
かせさんさんのコメント
2023年9月15日

サンダンス・キッドから来た映画祭のネーミングなんですね。
黙って巨匠のフリして応募しても、アメリカなら面白かったら許されそう。

かせさん