劇場公開日 2021年10月1日

「『野性の証明』との類似点が気になります」ルパン三世 カリオストロの城 よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0『野性の証明』との類似点が気になります

2014年5月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

今この名作を見直すと本作の前年に公開された『野性の証明』との類似点がありありと見えます。カリオストロ城から逃亡して力尽きたルパンにコップ一杯の水を与えるクラリス、贋札作成をスクープする峰不二子。何より劇伴が大野雄二なのでカリオストロの特殊部隊カゲが松方弘樹率いる自衛隊特殊工作隊に、カリオストロ伯爵が三國連太郎に、銭形警部が夏八木勲に見えてきます。要するにカリオストロ公国が丸ごと羽代市だということになります。

✳︎ 以下2022年9月14日鑑賞時のレビュー

もうこれ何度も言及していることですが、1979年公開の本作は前年1978年公開の『野性の証明』の影響を濃厚に受けています。

ルパン=健さん
クラリス=ひろ子
不二子=中野良子
次元=原田大二郎
銭形=夏八木勲
カリオストロ公爵=三国連太郎
ジョドー=リチャード・アンダーソン
グスタフ衛兵長=松方弘樹
カリオストロ公国特殊部隊“カゲ“=陸上自衛隊特殊工作隊
カリオストロ城の贋札印刷機=羽代新報の輪転印刷機

カリオストロ城から命からがら逃げて力尽きたルパンにクラリスがコップ一杯の水を与えるカットは原生林でのサバイバル訓練中に力尽きた味沢(健さん)に水筒の水を与える美佐子(中野良子)。贋札作成をスクープする不二子はスクープ記事を朝刊にこっそり載せようとする朋子(中野良子:二役)。劇伴が大野雄二なのでカリオストロ公国が丸ごと羽代市に見えてきます。さらには寒村で血塗れになる頼子(薬師丸ひろ子)の姿はまず間違いなく『もののけ姫』の元ネタになっているはずです。あの当時のひろ子に巨匠が夢中にならないはずがないです、死ぬほど可愛くて凛々しいので。

ということで東映のアニメなのに角川映画にしか見えないのがカリ城。本編自体はもう何回観たか判らないですがやはりスクリーンで観るのは格別、冒頭のカジノ襲撃からゴート札を橋の上でばら撒きながら突入するタイトルロール、炎のたからもの、大野雄二の劇伴と絶妙にシンクロするカーチェイス、何もかもが素晴らし過ぎて何度も泣きました。

本作の舞台が1968年だという観点で鑑賞してみましたが、だいたいルパンが大公のお屋敷で食べてるのは赤いきつね、銭形警部と埼玉県警の皆さんがカリオストロ城で食べているのはカップヌードル、ルパンがタバコに火を付けるのは100円ライター、全部1968年には存在しなかったアイテムなのでやっぱりメチャクチャ違和感あり。でも結婚式に上映するという発想自体は素晴らしいと思いますので毎年やって欲しいです。

あと気になったのは上映フォーマット。映像は8年前に観たデジタルリマスターの映像でしたけど、音声はなぜかモノラルになってました。初上映当時はモノラルだったわけでこれはこれで正なんですが音声が正面からしか聞こえてこないのは5.1ch当たり前の今だと逆に慣れるのに時間がかかりました。

よね
よねさんのコメント
2024年4月6日

コナンはルパンの第2期テレビシリーズとの共通点が濃厚ですね。

よね
えーじさんのコメント
2024年4月5日

「野生の証明」との類似点と言うお考え、ある意味新鮮です!どちらも公開当時に映画館で観ました!そしてどちらも好きでした
私は「未来少年コナン」だと思うのですが…

えーじ