夜空に星のあるように

劇場公開日:

夜空に星のあるように

解説

格差や貧困、人種差別といった社会問題を多くとりあげ、労働者階級や移民たちに寄り添う映画を撮り続けるイギリスの巨匠ケン・ローチ監督が、1967年に発表した劇場映画デビュー作。ロンドンの労働者階級に生まれた18歳のジョイは、泥棒稼業で生計を立てている青年トムと成り行きで結婚し、妊娠。しかしトムは生まれたばかりの赤ん坊にも無関心で、ジョイにも暴力をふるう始末だった。そんな夫に嫌気がさしていたいたある日、トムはついに逮捕され、ジョイは叔母の家に居候させてもらうことになる。そこに夫の仲間だったデイヴが訪ねてきて、優しいデイヴにひかれたジョイは、彼と一緒に暮らし始める。ところがデイヴもまた強盗事件で逮捕されてしまう。ジョイは獄中のデイヴに手紙を書き続けながら、幼い息子とともに懸命に生きていくが……。

1967年製作/101分/イギリス
原題:Poor Cow
配給:コピアポア・フィルム
劇場公開日:2021年12月17日

その他の公開日:1968年11月16日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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映画レビュー

3.5【幸せな家庭を求める夢と愚かしき夫と結婚してしまった現実のはざまで揺れ動くシングルマザーの厳しい人生を描いた人間ドラマ。社会派の片鱗はこのデビュー作でも描かれている。】

2023年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■ロンドンの労働者階級に生まれた18歳のジョイは、泥棒稼業で生計を立てている青年・トムと成り行きで結婚し妊娠、出産する。
 ところがある日、トムは逮捕され、ジョイは叔母の家に厄介になる。
 そこに夫の仲間だったデイヴが訪ねてきて、二人は恋に落ちるがデイブも又、強盗で逮捕され、懲役12年を求刑される。

◆感想

・女性の貧困など現代にも通じる社会問題を映し出している点などは、社会派の片鱗が伺える。

・だが、ジョイに共感できるかというと私には出来なかった。夫、恋人が強盗を計画しても止めようとしないし、恋人が獄中に入っていても浮気をするし、嘘を言うし・・。

<ジョイの生い立ちが描かれていないので、何とも言えないがジョイ自身の事業自得の厳しき人生ではないか、と思ってしまった作品である。
 ケン・ローチ監督のデビュー作だからね。ここら辺でやめておこう。>

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NOBU

3.0人は環境に大きく左右されるもの。

2022年1月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

主人公に共感できるかっていえば
キャラ設定荒っぽいので
ちょっと難しいんだけど、
生まれる場所とか、
階級とか、環境が違ったら
この人の人生は色々と違ってたんだろうな〜とは思う。
本人はそれなりに必死でやってるのに、
全然本人が思ってるのと違う結果になっちゃってるのが、結構痛々しい。
特にラスト・・・。
ドノヴァンは良い。

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胃袋

4.0そんなに責めないで 人生は短い 人は何も持たずに生まれてくる  Be Not Too Hard by Donovan Philips Leitch

2022年1月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

1967年のケン・ローチ監督の初長編作品が武蔵野館でリバイバル上映。
わたしはダニエル・ブレイクが大好きで、ドノヴァンが音楽担当とのことで、すごく興味が湧きました。
邦題が荒木一郎の「空に星があるように」と似ているからではありません。
デイブ(テレンス・スタンプ)が 子供を膝に乗せたジョイに弾き語りでドノヴァンの Colours を聴かせるシーンがとてもいい。
たまらない❗
ケン・ローチ監督がドノヴァンに共感してくれたのも嬉しい。
冒頭のジョイの出産シーンで流れる Be Not Too Hard.
若き日のテレンス・スタンプ。渋くてカッコいい。最近公開されたべイビー・ドライバーのエドガー・ライト監督のラストナイトインソーホーで謎の老紳士役で出ていたテレンス・スタンプ。ラストナイトインソーホーも同じくイギリスの60年代の女性を扱った映画で、エロイーズの夢に出てくる金髪キャバレー歌手のサンディとヌード撮影のモデルもしちゃうジョイ(キャロル・ホワイト)がだぶってくる。エドガー・ライト監督の新作はケン・ローチ監督をリスペクトしていて、この Poor Cow へのオマージュをテレンス・スタンプを起用することで表明してきたなぁと思いました。
武蔵野館もやるな~
クズ野郎のトム役のジョン・ビンドンは実生活も刑務所を出たり入ったりして、50歳でAIDSで亡くなった。もともと、ロンドンの酒場でケン・ローチ監督にスカウトされた素人だった。本物だったんだね。ケン・ローチ監督の人をみる目は本物っていうこと。さすがですね。

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カールⅢ世

3.0長編デビュー作第一作作品。ズバリ、その通り。

2021年12月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

もう50年前の作品なのに、ケン・ローチ監督の製作作品は一貫しているのに驚く。イギリス労働者階級の底辺に暮らす人々をしっかりと見つめている。
但し、私にはその眼差しに温かみを感じる。
 女性主人公は、流されるままに人生を生きているように感じられるが、その時の気持ちに純粋だなと思えてくる。作品の流れは新人監督なので、あまり上手くない。これは仕方がないだろう。観る人によっては、退屈だろう。

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いなかびと
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