劇場公開日 1980年12月

フェームのレビュー・感想・評価

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4.0明日への希望を託す芸能専門学生の若いエネルギーを発散させたパーカーの傑作ミュージカル

2022年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

芸能専門学校に通う若者たちの可能性をパワフルに表現したアラン・パーカーの力作。青春期にしかないエネルギーの発露をストレートに表現したパーカーの演出力が素晴らしい。これほどに若さを肯定的に捉えた音楽映画は今までに無かったのではないだろうか。作品の構成も音楽の推進力と噛み合って実にテンポ良く進み、爽やかな青春讃歌のミュージカル映画になっている。専門学校の4年間を、あたかもベートヴェンの交響曲第9番『合唱』の全4楽章に当て嵌めたような“音楽への捧げもの”として捉える事もできる。芸能の魅力に取りつかれた若者の感性を、音楽のリズムとテンポに転化したパーカーの演出に終始身震いした。今日のミュージカル作品として特筆すべき傑作であると思う。

  1980年 12月23日  スカラ座

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Gustav

3.5アメリカン・ドリーム

2022年3月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD、TV地上波

監督は、
「ミッドナイト・エクスプレス」で
アカデミー最優秀監督賞に輝いた
アラン・パーカー

マンハッタンのアートスクール
(芸術専門学校)P.Aが舞台。
入学試験は、オーディションで
選抜されるという厳しい世界。

俳優や、ダンサー、歌手
クラシック奏者等
明日のスターを目指す
若者達の姿を
ドキュメンタリータッチで描いた作品。

ココ役のアイリーン・キャラが歌う
テーマ曲「FAME」が大好き。
後に大ヒットした
「フラッシュ・ダンス」の
「What a Feeling」も人気ですね。
全米No1になりました。

この「フェーム」でも
多くの名曲があり
校内の食堂で弾ける
「HOT LUNCH JAM」は躍動感
ココが歌うバラードの
「OUT HERE ON MY OWN」も
切なくて素晴らしいです。

ラストの卒業シーン
オーケストラ、コーラス、ゴスペル
ダンサー、父兄や在校生の
観客達も、参加し感動的でした。

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LaLa

5.040年振りに観た映画

2021年11月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

1980年、この年に米国を訪れて、この映画をニューヨークで観た。人につられた団体旅行だったので、どの映画館で観たとか詳細などはほとんど覚えていないんだか、この映画は覚えている。俳優たちの顔と音楽は忘れなかったようだ。ブルーノ(リー・キュレーリ) キーボードのスキル、ココ(アイリーン・キャラ)の歌唱力、ヒラリー(アントニア・フランチェスキ)のエレガントさ、モンゴメリー(ポール・マクレーン)の一際目立っていたパーソナリティーに澄み切った歌声、ルロイ(ジーン・アンソ ニ
ー・レイ)のゴージャスな踊り。40年前でも、不思議なくらいによく覚えていた。これが高校生え思ったからだと思う。

そのごニューヨークをまた、訪れた時、フエームがブロードウェーのショーになっていたが、ショーは数多いので、これを選択肢に入れてみなかった。フェーム というテーマ曲は同じだが、内容もハーフォーマンスも同じではないようだ。それに、リメークされたり、テレビドラマ(リー・キュレーリとジーン・アンソ ニー・レイは出演している)になったりしたようだ。

1980年のフェームを最近観て、何人かの俳優が当時インタビューを受けているのを聞いた。ポール・マクレーンという俳優に何度もしつこく、この役柄に抵抗がなかったか聞いていたが、彼は全くなかったと答えていた。1970年の後半、ポールはホモセクシャルがカムアウトしていない存在の役を知っていてこの役を受けたかという質問もあったが、こういう質問には閉口したが、1970年後半だからねと思い直した. Is It Okay If I Call You MineとDogs In The Yardという曲は彼が書いたと。

リー・キュレーリはニューヨークの私立のコンサベトリーManhattan School of Musicの学生だったと。演奏振りを見ただけで才能のありそうな学生だとわかるね。この映画に出てくる人びとはすでに才能を開花していて、主役の生徒たちはその後スターダムに乗ったそうだ。米国でかなり有名な役者や音楽家やダンサーになっているんだね。 とういうことはキャスティングの係りは先見の明があったわけだね。高校生が卒業後プロになりたいのが、なっていくんだからねえ。先生方や指揮者はプロを起用と。驚くセットだね。全く知らなかった。

それに、The song "Hot Lunch Jam" was heavily improvised. 監督がこの曲は即興だとウィッキーで。ココのボーカルが入る時、ブルーノが『どうぞ、ここから』と手を出すからちょっと違和感があったけど、やっぱり即興か! 参った。

次は私の好みのシーン。私はブロードウェイで演劇のワークショップを見たことがあるから、この演劇クラスでのシーンに共感。悲しいシーンを思い出して、自然に泣けるところは、実際も俳優がこうやって演技をしているのがわかるねえ。プレイハウスでのシーンが最高。観衆である生徒が一人一人映画の主役になってるんだね。雨が降ってくれば、持っている新聞や本などを頭に乗せてやめば、それを手に持ち、The Rocky Horror Picture Show と一緒にセリフをいう。カッコいいショットだ。そして、ドリス(Maureen Teefy) はステージに上がる。 これが、ドリスの自信にもつながっていくが、彼女が人間として人生を積み重ねていくだろうという様子が描かれていると思う。

これはニューヨークが舞台で、すでに、公立高校で、芸術(演劇、ダンス、音楽)に特化する High School of Performing Artsという類の学校があったのは現実だったんだと思った。ちょっと調べたら、1947年には設立されていたらしい。今なら、特化された公立高校はあるだろうが、当時もあったとは、恐れ入り屋の鬼子母神。
ここで、ココ(アイリーンキャラ)は演劇、ダンス、音楽の全てを専門にしているように描かれている。彼女はプエルトリコ系アメリカ人の役でブルーノのお父さんのタクシーで送ってもらった時、守衛のいる建物に入らず、別のところへ帰っていく。演劇のラルフ(バリー・ミラー)も貧しいプエルトリコ系いアメリカ人だ。ダンサーのルロイも文字が読めなく、作文がかけない。なかにはヒラリーのように高級住宅に住んでいる生徒もいる。これが学校群だけに囚われす、広範囲で越境入学できる公立高校かもしれない。

人間模様についてコメントを書いていないが、監督から俳優までの、この芸術の意識の高さには土胆を抜かれた。あっぱれ!

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Socialjustice

5.0永遠不滅の青春映画です

2021年9月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

関連するロックミュージカルを時系列で整理するとこうなります

ジーザスクライストスーパー
1971年ブロードウェイ初演、1973年映画公開
ロックオペラによるミュージカルの革新
ロックミュージカルとは何かを世に示した画期的な作品

コーラスライン
1975年ブロードウェイ初演、1985年映画公開
ミュージカルのオーディションに参加するダンサー達と演出家の物語
ダンサー側から、ミュージカルの裏側の世界の厳しさとその真剣な情熱を描く

オールザットジャズ
1979年映画公開
舞台版は有りません
ダンスの演出家、振付師の物語
演出側の孤独さ、才能を絞り出す為には心身を削る程であることを掘り下げる

フェーム
1980年映画公開
舞台版は有りません
舞台芸術学校の生徒たちの物語
この世界を目指す若者たちの姿を描く

この4作品は4つで一つの物語であるのだと思います

本作はミュージカルを構成する最後のピース
厚いショービジネスの人材は一体どのように大勢生み出されているのか
その人々はどのような若者たちなのか?
どのような夢と熱意を持ってどの様に生きているのか?
それを教えてくれるのです

青春の熱さ、成功(フェーム)だけを夢見て、自分の才能に疑問もなにもない
自分にも華やかな世界に通じる道があるはず
そう信じて疑うこともない

誰もが経験したはずのことが、本作にはあります
舞台芸術のショービジネスだけの話では有りません
学問の世界、商売の世界、技能の世界、スポーツの世界などなど
どの世界にも通じる普遍的な物語です

あまりに舐めて放校されるもの
裏業界の人間に騙されてエロビデオを撮られてしまうもの

様々な失敗、黒歴史を重ねていくのです
自分にもあります、あなたにも有るはず

それでも何となく時はすぎさって、何十年も経ってみれば、あの頃夢見た道から大きく外れているかも知れません

憧れの先輩はハリウッドに行ったものの結局端役止まり、NYに戻ってきてウエイターで食いつないでいます
それでも凄く頑張った方です

最初目指した道でフェームを獲得できるのは、ほんの一握り
その道に残っていても、フェームにはもう手が届かないことがはっきりしてしまっている
下積みのままか、フェームを掴んだ人を支える側にまわるのか、それなりに自分の居場所を作って生きているのです

気付けば全く違う道に進んでいるかも知れません
その道で成功を掴んだ人もいるかも知れませんが、やっぱりそこでも成功するのはごく一握り
何でこんなことをしているのだろうと悶々と生きているかも知れません

世の中の濁流に呑まれて流されて、何となく居場所を見つけて、何とか日々生きている人が大半なのではないでしょうか?
その居場所で小さな喜びを見つけて生きていくのが普通の人間の人生なのだと思います

それでもみんなこんな青春の夢があったのです
21世紀の若者たちも同じだと思います

ダンスや音楽の専門学校は東京や大阪にもあります
今日もそこでは本作のような若者たちの青春があるのだと思うのです

数年前、大阪ミナミのとあるクラブのイベントに行ったとき、ダンスの専門学校生達とおぼしき若者たちを見かけたことを思い出しました

そんなことを思いつつ本作を観ていると、なんか胸が張り裂けてしまうような熱い感動があり、涙が溢れてしまうのです

遠いところに来てしまった
こんな青春は確かにあった
でも今はもう遥かに遠い遠い昔のこと

本作を観て21世紀の若者たちも、いつの日かこんな思いにとらわれるのかも知れません

永遠不滅の青春映画です
傑作です

蛇足
ラルフが敬愛する「フレディ」とは、フレディ・プリンズのこと
もちろんクィーンのフレディではありません

ラルフと同じくプエルトリコ人居住区の出身で、本作のモデルの学校出身のお笑い芸人です
劇中での台詞どおり若くして命を落としたそうです

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あき240

3.5①主題歌「Fame」に乗って街中で踊りまくる生徒たちのシーンが白眉。

2020年4月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

①主題歌「Fame」に乗って街中で踊りまくる生徒たちのシーンが白眉。

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もーさん

3.0アイリーン・キャラ

2018年11月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 なぜか大学時代に縁が深かった曲「フェーム」。誰も映画について語らなかったし、映画はだめだけど音楽は良かったという他人の感想がそのまま印象に残った・・・

 オーディションのドキュメンタリーのようなオープニング。ほとんどドラマ形式をとらずにもくもくとそれぞれのストーリーが進んでゆく感じ。「音楽の才能がないようだから演劇科に移ろうかな」なんて台詞も出てきたけど、アイリーン・キャラなんて役者より歌手を選んで正解だったんだし、登場人物がそのまま実生活の生き写しのような気もしてくる。

 終盤がもたつき気味。アイリーン・キャラのヌードもなんだか・・・そんでラストのオーケストラ、コーラスが凄い!って、どんな繋がりなのかわからなくなった・・・

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kossy

3.0スターを夢見る若者たちの青春記。 芸術的センスのかけらもない私には...

2017年2月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

スターを夢見る若者たちの青春記。

芸術的センスのかけらもない私には無縁の世界。その道を志す者にはバイブル的作品なのかも。見る者によって響く度合いが違う映画かなと感じました。

山場は中盤のストリート乱舞、クライマックスの卒演、あとは数カットのオッパイぽろり(笑)

私にはただただ羨ましいばかり。思い入れのある出演者もおらず、正直あまり響くものがありませんでした。
芸術センスが欲しかった。天性のものなのですかね。

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はむひろみ

3.5青春群像

2016年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

幸せ

萌える

ほぼ30年振りに二度目の鑑賞。
しかし、内容は全然覚えていませんでした。
覚えていたのはテーマ曲。
アイリーン・キャラ唄うフェーム~♪って
フレーズだけは覚えていました。
彼女はこのあとフラッシュダンスの主題歌も
唄い売れっ子だったのに何故か
活躍していませをやね。

ま、アメリカではドラマになってヒットしたとか。
作品ではごちゃ混ぜで深堀ができなかった登場人物の
エピソードは確かにドラマ向き。
時間あれば探して見ようかな。

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としぱぱ

4.0迸る若い情熱と表現

2016年8月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

総合80点 ( ストーリー:75点|キャスト:80点|演出:85点|ビジュアル:75点|音楽:80点 )

 芸術の表現と、それに携わる若者の生き様という2つの面で楽しめた。

 迸る若さと情熱が、彼らの体を動かし踊り歌い演奏し演技し表現する。短く場面を区切り次々に彼らの動きを素早く切り替えていく演出が躍動感を出し、途切れることなくそれが続いていく。
 そして徐々に登場人物の背景や性格について迫る。彼らの夢や挫折や障害や傷や抱える問題が、芸術家の卵としての彼らの一人一人の人生の道程を描いていく。
 まだまだ彼らの芸術家としての人生は始まったばかりで、色々あっても若い彼らには未来がある。これからは厳しい試練の道を歩むことになるであろうし、多くは夢を叶えることなく別の道を行くことになるであろうが、それを恐れず若さで突っ走っていって欲しいと思った。

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Cape God

3.5キャラクターの魅力

2016年1月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

登場人物たちがメインの3人を中心にみんな魅力的で、音楽って、劇っていいなーと思わせてくれる。
それぞれのキャラクターの過去や現在は軽くしか触れられていないのにもかかわらず、魅力的に感じられるのは、それぞれが強い夢を持っていて、これが作品のテーマと合致してるからだと感じた。
ただ、卒業のシーンは盛り上がりに欠けた。前半の食堂のシーンが最高だった。

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あきら

1.0ノープランか?

2014年10月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

青春群像といえば聞こえがいいが、何枚かの描きたい映像があって、ほとんどそれに引きずられるように物語りが進行するだけの中身のうっすい映画。
テレビドラマ化されたというのには頷ける部分があって、同時進行する物語が多すぎるのだ。それを映画にまとめるものだから浅いところでしか人物は描かれていない。金八をぎゅっと二時間にはできない。一話一話堀り進むから卒業式に繋がるのである。
卒業、だから何?って感じが出てしまっている。

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okaoka0820