パリ、テキサスのレビュー・感想・評価
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ダメなことが判って良かった
荒涼とした砂漠と
何か訳ありで肝心なことを何も話さない
むさいジジイのアップが続く中、
全体の三分の一を我慢して観ていると
DVDパッケージの
若い頃のナスターシャ・キンスキーの
超鮮やかな登場でやっと何とか持ち直す作品。
若い女の子と良い仲になりたい!
なんて思ってる中年以上のジジイには
いい薬かもしれないですね。
ダメ男が大丈夫な人はぜひ!
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
名作として、1984年だから36年も前に
カンヌでパルムドールも受賞してる。
けど、時代が求めるものが
あまりにも変わってしまっているので
今、この映画を観て、感動できる人は
どの位いるのでしょうか?
こんなにダメな男とダメな女の
互いの愚かな話なんぞ、クソつまんね〜
同じ監督の「ベルリン・天使の詩」は
同じような淡々とした作風ながら
観ていて最後は希望的に終われるのに
なんだよ、この映画のダメ男のたわごとは!!
こんな風にしか生きられない人もいるよね〜
ってことなんだろうけど、
私が映画に求めるものがそもそも全く違うので
逆に理解なんかしたくない!
名作名作と言われていても、
合わないものは合わないと
ちゃんと決着つけられただけ
観て良かったかもしれません。
@お勧めの鑑賞方法は?
配信で十分ですがうっかりすると寝てしまいます。
余韻がいつにも増して不思議な感覚
物凄く完成度の高い脚本ではないかもしれないし、設定も大まかかもしれない。でもこの監督の作品が愛おしく、いつもは作品の纏う空気感を愉しむために見ている感じだった。けど、この作品中に一つ心に残る(突き刺さる)セリフ「虚しさを埋める代償にしたくなかった」
このセリフを言わせるための作品のように思った。
出てきたファミリー全員、本来愛情に満ち溢れてるのに溢れすぎて別離の道を歩んでしまう。
思ってたより余韻が残る作品。
作家性が強すぎて落胆
テキサスの荒涼とした礫地を行く放浪者、サスペンスを思わせるほどの小出しの状況説明、最後まできて一家離散の心の闇がやっと語られる。ナスターシャ・キンスキーを使ったことからロリコン親父の被害妄想の説得性や放浪という自虐的な現実逃避も分からないではないが身勝手な感傷主義に思えてならない。
脚本途中で製作に入り結末をどうするかは脚本のサムシェパードと監督のビム・ベンダースは電話で話して纏めたがサムは不本意だったらしい、後に組んだ「アメリカ、家族のいる風景」で補ったと言われている。特殊な家族を描くことで平凡な家族の見落としがちな何かを伝えたいという手法は是枝監督も使う手だがベンダースは本作の主人公のように多くを語らない、ドイツ表現主義では万人受けなど端から眼中にないのだろう。
こういうテンションの張り方はタルコフスキーなども用いるが芸術性が高いとも思えない。
作家性が強い映画で製作動機が理解できないがカンヌの批評家には高評価だったようだ。
個人的感想
トラビスの奥さんがきれい
アンハサウェイ見たときの衝撃
奥さんと電話越しに話し、トラビスは過去の過ちを悔い改めたようにみえたが、レビューを見ると、昔3人でいたときのようにまたトラビスが妄想して、家族がめちゃくちゃになるとおそれ、トラビスが身を引いたと考える人が多い。
2回目のマジックミラー越しで、奥さんがトラビスとわかったときにすぐに、抱きつきにいかなかったのは、トラビスにたいする愛はなくなっていたからか?
ハンター宛にお金を振り込み、ハンターを愛していることがうかがえるが、トラビスにたいする気にかけはなかった。やっぱりトラビスにたいする愛は冷めていた?
ロード・ムービーの基本
記憶喪失、だんまり屋、謎が多い前半。テキサスの中にあるパリという地名。同じく4年前に失踪したトラヴィスの妻ジェーン。そしてジェーン探しに旅をするトラヴィスとハンターの親子。
覗き部屋という風俗は日本でもこの頃に流行ってたような気がする(もちろん行ったことはありません)。ラストに向かって、黙々と喋り続けるトラヴィスから一転して台詞のない対面までがコントラストが効いて絶妙なバランスを保っています。しかもエンディングの夕焼のハイウェイがすごく綺麗。ずるいような気もする。
これは複雑で手短には語れない。 自分勝手で不器用な男が再会した愛す...
これは複雑で手短には語れない。
自分勝手で不器用な男が再会した愛する子供と消息不明の愛する妻の為、償う旅。
記憶を失くして目的を忘れてしまってもなお、何故パリテキサスを目指したのか。
それはその場所で愛する妻と子供と三人で暮らしたかったトラヴィスの想いが心のどこかにあったから。
愛に向かってひたすら歩き続ける男トラヴィス。
トラヴィスの愛の形、それがパリ、テキサス。
なのに涙流して何処に行くんだトラヴィス。
なんとも切ない
切ない映画でした。いや〜、なんとも切ない。
主人公トラヴィス。未熟な男です。しかしこれは非難の意味合いではない。彼はどうしても成長できない、成熟できない悲しさを抱えているように感じられます。愛を切望しても壊してしまう、そんな自分に絶望しているのでしょう。
そして、タイトルにもなった、彼の故郷パリ、テキサスに戻ろうとする姿から、原家族との関係の傷つきが、彼の成長を止めていることが推察されます。父と同じような妄想に取り付かれていると感じるトラヴィスは、息子ハンターにも、自分が体験した傷を負わせてしまうという恐怖を感じていたと思います。ハンターに自分の両親のことを語る姿は、なんか切ない。彼はクライベイビーですよ。
元妻のジェーンとトラヴィス、一見年の差カップルですが、精神的には近い2人だったんでしょうね。ジェーンもおじさんをパートナーに選ぶくらいだから、安心感を必要としていた人なのかな、と思います。しかしパートナーは体はおじさん、心はベイビーだったため、上手くいかなくなるのも宜なるかな、です。
しかし、一番切ないのは弟夫婦、とくに妻のアンだと思います。ハンターを実の子として、本当に愛して育てたことが伝わってくるが故に、辛すぎますね。
ハンターの布団がスターウォーズなんですよね。アンは宇宙好きの彼の嗜好をちゃんとキャッチして選んだのでしょう。きっとあの布団が家にやってきた日にハンターは超喜んだと思うんですよ。そういう、すごく大事な積み重ねが伝わってきたが故に、本当に胸が苦しい。
ハンターが母と別れたのが3歳。愛着対象は確かに母親でしょう。トラヴィスも問題あるけど優しい男だから子どもは見抜いて懐きますしね。
とはいえ、弟夫婦の話は残酷だと感じています。
名作と誉れ高い本作ですが、確かに素晴らしい映画でした。マジックミラー越しのトラヴィスとジェーンのやりとりなどは、すごい説得力で迫ってきました。
しかし、トラヴィスの物語にはがっつり共感できず、むしろ弟夫婦に感情移入していたため、ハマるまでには至りませんでした。
のぞき部屋のスタッフとして、伊達男ジョン・ルーリーがちょこっと顔を出しており、ジャームッシュ初期3部作好きとしては思わすニヤリとしました。
主人公との距離感の取り方が難しい
後半にやっと出てくるナスターシャキンスキーがあって初めて成り立つ作品だと思う。
若いころに観たけど寝落ちしてしまいほとんど記憶がなく、改めてみると、少々寝落ちしても問題なかったことが確認できた。
観る者が主人公に寄り添うことを求められる。この距離感を保つことが案外難しい。距離をとりすぎると映画から遠のいてしまうし、近づくと拒絶される。
観る者に干渉させないような作りになっていて、そこがこの作品のなかなか面白いところ(あるいは凄いところ)なんだと思うが、干渉できないから鑑賞もできないというか。
最後のほうで締めくくってくれてるから満足感はあるんですが、全体を通じて、「どうやったら入り込めるか」と機会を探りつつ結局入りこめなかったという敗北感が残ることになった。
美しく儚い
たくさん素敵なシーンがあります。
好きなのは、昔撮った8ミリの映像をみる場面。
トラヴィスとハンターが一緒に学校から帰って来るシーン、ラストのホテルでの親子の再会の場面。
人生の美しさと儚さ。哀しみと喜び。人はただそれを味わう事しかできない。
そして旅が続く。
ハリースタントンから漂う何か
ハリースタントンから漂うオーラというか哀愁というか何かを感じる。立っているだけ、話していなくてもただそこに映っているだけで雰囲気がでる。
作品としてもとても良い!
淡々としているのだがどこか洒落てて惹きつけられる。あのガラス越しの告白のシーンがとても印象的。
感情は覚えてる
久しぶりに観た。冒頭の砂漠のシーン、ライ・クーダーのギター、ナスターシャ・キンスキーしか覚えていませんでした。
ものすごく色、構図の素晴らしいショットの連続でした。
余白の多い心理描写と風景の対照が、映画として完成度が高いと思いました。
兄弟、親子、夫婦、色々な人の感情やつながりの中に生きているけれど、時々その繋がりが自由を束縛する鎖の様に思える時もある。
そんな繋がりや鎖、根元にある感情が以前見た時よりも響いてきた。
ただし、ストーリーとその展開は⁇ やや無理を感じました。ナスターシャ・キンスキーが美しすぎます。
充実した時間でした。
逃げたくなる心情が伝わる
総合80点 ( ストーリー:75点|キャスト:85点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )
薄汚れた服で砂漠を歩く男は目が虚ろ。彼は最初は何1つ喋ることもなく、言葉を失ってまるで廃人のよう。何があったのか、弟が迎えに来てから少しずつ彼の背景が語られていくが、彼の閉ざされた過去に興味がわく。
そして家族との時間があった後にテキサスへ再び妻を息子と共に捜しに行く。父子は時間を取り戻したかのように喋り旅をする。
だがその後の孤独感・侘しさ・虚無感が漂う世界に突然すっぽりとはまり込む。あのときに何が起きたのか・どう思ったのか、言葉すら失い全てを捨てて歩き出した時の気持ちが理解出来る。この心の闇に覆われた彼はもうどうあっても引き止められないというのがわかる。
とにかく感情が伝わってくる映画だった。心が暗い闇に囚われ逃げ出せなくなるような主人公の気持ちが伝わった。『バッファロー'66』の雰囲気にも似た絶望感にも襲われる。そんな物語と演技と演出が良く出来ていた。
ただし一度は結婚していた相手の声と喋りを聞いて相手に気がつかれないという点は不自然だった。
染みる
10代の時に一度鑑賞してから、20数年振りに再鑑賞。若い時には理解できなかった難しい作品が、40代になった今、胸に染みました。
人生長く生きていると、後悔することが少なからずあります。自分を見つめ直し、これからどうするのか。拗れた感情とどう向き合うのか。不惑の年齢を超えた現在、改めて熟考させられました。
それにしても、ナスターシャ・キンスキーの美しいこと!
THE 哀愁
テキサスの砂漠を黙々とひた歩く浮浪者のような男。
彼が目指すパリ、テキサスの意味、行方知らずの妻ジェーンと空白の4年間によって出来てしまった実の息子ハンターとの壁。
ジェーンを愛するが故に傷つけてしまったトラヴィスの苦悩と決断を追ったロードムービーの傑作と名高い作品の1つ。
冒頭のカラッカラに乾いた砂漠地帯に鳴り響くギターの甲高くも切ないリフにのせてただひた歩くトラヴィスから始まる今作品。
弟のウォルトが迎えに来てもまったく口を利かず、虚ろな表情でポツリポツリと空白の4年の記憶がないことや自分が誕生した地、テキサス州のパリに行きたがるトラヴィスの過去がとても気になる展開に。
息子ハンターとの関係を修復するためにキチッとした格好して迎えに行くトラヴィスとそんなトラヴィスに心を開き始めるハンター。
2人が初めて一緒に帰ることになったときのあの距離感がとても良い。泣ける笑。
弟夫妻と息子ハンターとの再会により、徐々に以前の暮らしぶりを思い出し始めたトラヴィスは嫁のジェーンを探しにヒューストンへハンターとともに旅に出る。
そしてその先で再会したジェーンは覗き部屋で働いていた。その瞬間、蘇る記憶。
なぜジェーンは自分の元から去り、ハンターすら手放したのか。愛するが故に傷つけてしまったジェーンとハンターを再び愛するためにトラヴィスが取った選択とは?
トラヴィスがジェーンを愛しすぎてしまったことで自分も傷付いてしまった人間という設定のため、トランシーバーやマジックミラーなどの直接的なコミュニケーションを必要としない道具が多く使われていて、彼の心の傷がまだ癒えていないことを暗喩しているという感想を多くの方が述べていて、驚くこと感心した笑。マジでこんなことまで考えてたのかなヴィムベンダースって笑。天才だ笑。
まさにTHE哀愁といった印象の映画。
ラスト屋上で佇むトラヴィスがとても切なく満足げ。あのアングルと距離感であの表現力は素晴らしい。
長い
随分と高評価だなあ。
一時間くらいカットできると思う。
後半まで本当に退屈。
几帳面なドイツ人の特徴か、説明がくどい。
テレフォン風俗?で会話するアイデアは良いと思ったが、それくらい。
ワンアイデアで、起伏がなくオチまでためてためて…というのがいかにもカンヌという感じ。
30年も経つと鑑賞に耐えない。
名画と言われている作品はほとんどが凡作という持論がまた強化された。
ヴェンダース作品をこれ以上観る必要がないのが確認できたことが収穫。
トラヴィスよ何処へ
大好きな映画。
まさか映画館で観られるなんて驚愕。
この「パリ、テキサス」ほど大画面のスクリーンで観るのに適している壮大な風景に乾いた映像に最高なロードムービーだ。
トラヴィスの最後の選択は自分勝手で弱くてズルくて情けないが憎めない。
トラヴィスの気持ちがコノ先が読めない。
ハンターが子供らしくもあり素直に大人たちに接する姿は可愛くて救われる。
再会した二人が過去の話をするシーンはもう一本映画が撮れる濃い内容。
H・D・スタントンの素晴らしい存在感にヤラれる。
ブルーレイだと粗さがない
感情を切り裂くようなライクーダーの音楽、ぶった切ったような編集、台詞はどこか詩的、映像美、あの時ハリウッドにはない映画の良さが散りばめてあった。
久しぶりに観て、トラヴィスに年が近くなったせいか、色々と感情が被ってきて理解できる部分を感じた。勿論理解は出来ても肯定はできないが。
ブルーレイで観るとフィルムの粗さが全然ないんだな。当時の予告と見比べるとそれがわかる。見やすくはなったけど、粗さも含めた映像美だったかもしれない。
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