劇場公開日 2013年2月16日

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「お迎えが来る日迄、自分のペースで生きる事は素晴らしく美しい」八月の鯨 Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5お迎えが来る日迄、自分のペースで生きる事は素晴らしく美しい

2013年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

あなたは、新作劇場公開作品を映画館で観る時以外に、映画をDVDレンタルする時には、レンタルする映画をどのような基準で選んでいるのだろうか?
名監督作品、或いは好きな俳優が出演している映画を選んで観る事が多いのだろうか?
それとも、特別に好きなジャンルの作品があり、その好きなジャンルの作品を数多く観ているのだろうか?
例えばコメディー好きの人なら、ハリウッド作品ばかりでなく、フレンチコメディーなども、お笑い映画と名が付く物ならどんどん観る事にしているのだろうか?
例えば、邦画では夏には、戦争映画は必ず新作が公開されるし、一昔前なら、「寅さん」シリーズや「釣りバカ」シリーズのように、決まったシーズンには必ず公開される映画がある。洋画でも、クリスマスシーズンはクリスマスをテーマに絡めた作品が公開されるなど、その時節と映画は密接に関係しているものだ。
そこで今月は新作公開作品以外で、8月に縁が有りそうな映画を独断と偏見で勝手に私がセレクト「8月に観たい私が選ぶ名画」と題して何本かの名作を推薦してみようと思う。
映画ファンには絶対に観て頂きたい8月に関係ある作品の候補として名を挙げるなら、第1番目の作品は、「八月の鯨」だ。
今年は、東京の単館系劇場の老舗として名高い岩波ホールが、創立45周年を迎えた事を記念して、ニュープリントでリバイバル公開された作品でもある。
そしてこの「八月の鯨」は、岩波ホール史でも公開された当時は、記録的なロングランヒットとなった歴史的記念作品といえる。更に今年は、奇しくもこの岩波ホールの総支配人を務めていた高野悦子さんが亡くなられた。不思議な因縁の作品とも言える。
さて、物語は、ベティー・デイビス演じる気難しいリビーと、年老いても尚も、ポジティブ思考で日々自己の楽しみを見つけ出し、生活に新たな変化を取り入れようと明るく心優しい性格のセーラをリリアン・ギッシュと言う2大女優を迎えて描き出す。
大きな人生の変化も現在では無くなった、年老いた姉妹の日常を描いただけの単調な映画と言えば、単調では有るのだが、しかし、これが実に素晴らしい名画なのだ!!!
これぞ、名作中の名作である。映画ファンであるなら、この映画を観ていなければ死ねない?とはチト大袈裟かも知らないが、それ程にお薦めしたい映画だ。
同じ親から生を受け、そして子供時代を共に同じ環境で過ごし育った家族でありながら、コインの表と裏の様に全く真逆とも言えるような性格のギャップの有るリビーとセーラが、再び年老いて、子供時代に暮していた家に共同生活をする事になって、一夏を送っているその静かな?生活の日々を淡々と描いていくだけの映画でも、そこに流れる人間の姿は、万人に共通する老後の生き方と、気持ちの在り方が見事に描き出されている。
私の駄文では、この映画の素晴らしさを伝える事は到底出来ないので、先ずは是非映画を観て下さいねとしか言えないもどかしさが募る。高齢化社会が問題になっている日本人には決して他人事ではない、自己の老後の気持ちの有り様を熟考し、今から準備を整えたい自己の老後を生きる為の、名作の一つとでも言うべき作品なのです

ryuu topiann