劇場公開日 1963年3月1日

「脚本が実にしっかりとしている。話が緻密で飽きさせない。 警察の捜査...」天国と地獄 はむひろみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0脚本が実にしっかりとしている。話が緻密で飽きさせない。 警察の捜査...

2017年5月5日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

脚本が実にしっかりとしている。話が緻密で飽きさせない。
警察の捜査等のリアリティも秀逸。とりわけ、実際の列車を使った一発勝負の撮影だったらしい現金授受の場面は緊迫感みなぎる。
しかし、最後の最後、動機だけがショボすぎる。そこだけちょっと納得いかず。でも現実の犯罪も案外そんなものかもしれませんね。

見てすぐ思ったことは、誘拐ってこんな罪軽かったか?ってこと。当時はそうだったようで、その理不尽さが黒澤監督がこの映画を作った重要な動機らしい。
皮肉なことにこの映画後誘拐事件が増加、結果、刑法改正のきっかけとなったという。

私が幼い頃、夜怖くて寝られないトラウマとなった事件、吉展ちゃん誘拐殺人事件もそのようだ。今親となり改めて思う。誘拐などという卑劣、卑怯な犯罪は絶対に許せぬ、と。

はむひろみ