ゆれるのレビュー・感想・評価
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いやー、退屈しない心情描写に脱帽の一作で非常に良かった。少しサスペ...
いやー、退屈しない心情描写に脱帽の一作で非常に良かった。少しサスペンステイストありつつ、柱としては心の動きで難しい部分もあるが、映画ということでよかった。
オダギリさんいいわー
兄弟のすれ違い
公開当初見た時、この映画のテーマは弟の自由な生き方に対して兄の生まれながらの兄という生き方にスポットし好きな女性を取られた嫉妬だと思っていました。兄の人格に底知れなさがある、みたいなものかと。でも、何故こんな撮り方をするのか?今になり見直して、嫉妬と思いこんでいたけれど、弟の目線で描かれているので、騙されていました。
要はお兄さんは吊り橋が怖かったのだと思いました。怖かったのに、守ろうとし助けられなかった、突き飛ばしたせいで、自分から逃げようとしたせいで落ちた。けれど男だから、怖かったせいにしたくない。(弟との面会で吊り橋なんてちょちょいだ、みたいなこと言ったシーン)優しい人間だから弟の告発を受け入れた気がしました。まじめに生きてきた男だから、自分で責任を取ったということだと。最後のシーンは気がかりですが、兄として、変わらない弟に笑顔を向けたと思いました、ですが、兄は家には帰らないと思います。
心情描写は秀逸
兄も弟も、どっちもイタいし、勘違いしちゃう幼馴染(女)もイタい。
いわゆる「優しい人」の兄が損をして、キリギリスみたいな弟が最後まで自分探し。
言っちゃえばけっこう不快な物語なんだけど、
最後まで引き込んで見させちゃうのは、心情描写と演出が効いているからだろうか。
特に香川照之とオダギリジョーの兄弟は本当に細やかな演技で、
キャラクターの心情を背景まで含めて表現していたように思う。
ラストシーンの兄の表情、あれは苦笑いと失笑のミックスだと思うな。
「あぁ、来たのか。でも今更かよ。」っていう。
逆に気になったのは真木よう子と蟹江敬三。
こっちはオーバーアクト気味でちょっと…。TVドラマみたいだった。
同監督の『永い言い訳」がすごく好きだったせいで、ハードルを高くしすぎたかもしれない。
ゆれる
ゆれる。
吊り橋、人の感情、相手への気持ち、兄弟の絆。
全体的に暗く重たい空気が充満していました。
狭い田舎で毎日同じような毎日を過ごすのは退屈だろうな。鬱屈した日々はいつの間にか狭い価値観を強いり、爆発してしまう。
相変わらず、香川照之はいい演技してるなぁ。
もう一度見たいとは思わないけど。
2時間が、淡々とあっという間だった。いい意味で。 終始好きな雰囲気...
2時間が、淡々とあっという間だった。いい意味で。
終始好きな雰囲気だったんだけど、ラスト10分、そういうことか。最後はわたしの心が大きく揺れました。
香川照之の演技が好きすぎる。 こういう人、いそう。 想像ができる。...
香川照之の演技が好きすぎる。
こういう人、いそう。
想像ができる。
いい人に見えても、本当はどうかわからない
人間の不気味さみたいなものが
仕草や声の出し方で、自然でリアルに伝わる感じ。
前に一度観たことがあったけど、
すっかり内容忘れてた。
今回観て良かった。
おもしろい。
最後の終わり方も好き。
この後どうなるんだろう、と想像させる。
ゆれる。
心がゆれる。
ゆれる感情。
自分の欲と
こうすべき、という理性と。
この映画では常になにかが揺れてるらしい。ずっと、ん?突き落とした?...
この映画では常になにかが揺れてるらしい。ずっと、ん?突き落とした?え?してない?どっち?ってなる映画。
でもね、田舎のおじちゃんにあんなふうにしがみつかれたら拒否したくなるだろうなって思った(笑)
そしてオダギリジョーの役は自分の所有物を他の人にとられたくないってだけな気がしたなぁ。
自己中
この弟の悩みをリアルに考えると、結局のところ、 自分の行動一つで兄が不幸になるかどうかが決まることに悩んでいる。 つまり、辛くなるのは兄だけであって、弟は実は不幸の当事者ではない。 それを何やら自分こそが悲劇のヒーローであるかのように 悩んでいるところが共感できない。
揺れる橋を渡る あなた 私
心の奥の、ゆれ押し殺す、ゆれる思いが、たまると‥。
相手を思う優しさ、
嫉妬、
劣等感、
そんなもので、人間の心はいつもゆれている。古い橋を渡るときのようにゆらゆらと。
オダギリさんは二枚目弟でカッコよいが、兄の香川さんは、カッコよいとはかけ離れ、弟にコンプレックスを抱いている。溜め込んだものが爆発する、怖さ、臆病、優しさが入り混じった演技が上手い。ラスト出所した香川さんがオダギリジョーに、ニコッと笑いかけて後ろを振り返らずバスに乗って去る姿が、胸をえぐられるようになんとも言えない気持ちになった。
このとき兄弟ははじめてゆれを感じず、辛い決断を踏まえた人間に、一歩足を踏み入れたように感じた。
人間は壊れかけた橋を、揺れながらも、踏ん張りながらも、一歩一歩あるいているようなものだ。見終わったあと、なんかさびしい気持ちというか、そんな感じにおちいった
兄と弟の間にかかるつり橋
フィクションの多くは、キャラクターの台詞や言動によって、その人の心情や内面や過去を明快に表現することで、ラストへと導き、観客に問題が解決したという満足感を与える。だが、実際の生活において、必ずしも私達は自分の心情を赤裸々に吐露したり、思っている事をそのまま相手に伝えたりしないものだ。
人間の表層と深層心理には、断絶がある。そしてこの『ゆれる』という作品は、ある兄弟のそんな人間の心の断絶を、深く掘り下げた映画だった。
物語は、東京でカメラマンとして活躍する猛(オダギリジョー)が、母の一周忌の法事の為、地方の故郷へと帰ってくる所から始まる。実家では、兄の稔(香川照之)が家事と実家の稼業をこなしながら、父の勇と男二人で暮らしている。
悠々自適に都会で生活する猛とは違い、長男の稔は稼業を継ぎ、小さなガソリンスタンドで働いている。猛はそんな兄に、稼業から逃げたという負い目を感じていた。
猛は車でトンネルを通り、故郷へと向かう。それはまるで明るい都会から、どこか異界へと通じる道を進むかのよう。故郷のシーンは、主にローキーな照明で撮影され、全体的に暗い閉塞感を印象づける。これにより、故郷が猛にとって心安らぐ場所ではなく、陰鬱な所であることを、画面は示す。
稼業のガソリンスタンドには、猛の昔馴染みの女性・智恵子(真木よう子)も働いている。智恵子は最初、車のガラス越しに猛に気付くが、猛は智恵子に気付かないふりをする。二人の視線は直接交わらず、猛は車のミラーごしに智恵子を確認して去っていく。このシーンで、智恵子が一方的に猛に好意を抱いている事を、カメラは暗示する。
一周忌の後、働いている稔と智恵子の仲の良い様子を見て、猛は兄が智恵子に好意を抱いている事を見抜く。だが女たらしの猛は、智恵子を家に送る際、彼女を誘惑し、性的関係を持ってしまう。
その翌日、稔は猛と智恵子を誘い、風光明媚な渓谷へ出掛ける。暗いトンネルを抜け、渓谷という異界へ、3人の乗った車はたどり着く。
澄んだ川で子供のようにはしゃぐ稔とは対照的に、昨日の情事のせいでぎくしゃくする猛と智恵子。智恵子は故郷の生活に行き詰まりを感じており、猛を追って東京に出ていきたい気持ちを、案に漏らす。そんな深刻な雰囲気に気まずさを覚えた猛は、稔と智恵子を置いて、つり橋を渡り、一人で渓谷の奥へと写真を撮影しに行く。
すると智恵子は稔を置いて、猛を追い、つり橋を渡ろうとする。そんな智恵子を稔はつり橋の上で引き留めようと追ってくる。稔と智恵子の感情のぶつかりを、手持カメラは激しくぶれながら追う。
このシーンにおけるつり橋は、非常に暗示的な装置としての役割を果たしている。
智恵子にとって、つり橋のあちら側へ行くという行為は、猛という好きな人の元へ行くということのみならず、猛が住む東京へ出ていく決意を意味する。そしてそんな智恵子を追ってくる稔は、自由のない、故郷の行き詰まった生活の象徴そのものだ。
智恵子は稔と故郷の暗い日々から逃れようと、稔の腕を振りほどこうとする。そして一方で、智恵子のこの拒絶は、稔にとっては、稼業を継ぎ、地味に生活する自分の人生を否定されること、そのものであった。
つり橋の二人の様子を一瞥しながら、写真を撮る猛は、不穏なものを感じとるが、戻らない。だが気になり、もう一度つり橋を見る。するとつり橋には智恵子の姿は無く、橋の板の上で呆然としゃがみこむ稔の姿だけがあった。智恵子はつり橋から転落したのだと悟り、慌てて猛はつり橋へと戻る。
茫然自失の稔を見て、事件の予感を感じながらも、猛は智恵子が勝手につり橋から落ちたと思い込み、警察に連絡する。
警察から事情聴取を受け、事故扱いで処理されるようになり、猛は胸を撫で下ろす。しかし、罪悪感に堪えきれなくなったのか、稔は勝手に警察に自首をし、逮捕される。
そして、智恵子の殺人容疑をめぐり、稔は法廷で追及される。あの時、一体つり橋では何があったのか……法廷を通して、猛は自らも知らなかった兄の心の闇を覗くことになる。
物語の後半は、裁判のシーンを中心に描かれる。裁判の序盤は、被告人であるにも関わらず、カメラのピントは稔に合わずにぼやけ、背景の弁護士や検察官、傍聴席をはっきり映す。それにより、何を考えているのか分からない稔の心を、画面は暗示する。
しかし、裁判が進むにつれ、稔が猛に黙っていた事実が判明し、稔の心の歪みが明らかになっていくにつれ、カメラのピントははっきりと稔の表情を捉えだす。
都会に出た猛は、稼業を継ぎ、親の面倒を見、長男としての役割を果たしている兄の稔に、常に負い目を感じていた。稔の立場は、現代に残った家父長制の犠牲の典型のようにも見える。
しかし猛は同時に、自分は稔のようにならなくて済んだという事に、どこか安堵を覚えている。
裁判にかけられた兄を守ろうとして猛は奔走するが、ある時、そんな彼に稔は「俺を守るふりをして自分を守ってきただけだ」と、猛の欺瞞を暴く。
そして、兄弟の間に脆くも掛かっていたつり橋は落ち崩落し、決定的な断絶が、二人の間に生まれるのだ……。
物語の終盤、あることをきっかけに猛は子供時代の稔との記憶を甦らせる。
そして自分が、兄の言葉の通り、本当に兄を信じていなかったこと、なぜ兄を信じて別の可能性を考えられなかったのかと、激しい後悔を抱く。
弟と兄、二人の間に、再び橋は掛かるのだろうか……。ラストで、渡れない大きな断絶を挟んで、猛と稔は視線が合う。
そこに希望を見いだすか否かは、私たち観客に委ねられている。
西川監督の独特なポップさと重たい感情表現の演出は本当に上手いなと感...
西川監督の独特なポップさと重たい感情表現の演出は本当に上手いなと感心する。
愛する人を助けられなかったという罪の意識を拭う為弟を逆なでして嘘の証言を吐かせた香川照之。一方で、弟のオダギリジョーは兄の愛する人を寝とってしまった罪悪感と合わせて、面会室でのやり取りで感情が動いてしまった。
やるせない感じもあるが、いい話っぽい感じも持たせてる。
なんかオダギリジョーがただただ踊らされてる感があって、物語全体の共感性はない。
永い言い訳もそうだったけど、独特なモヤモヤを残す人だなと改めて思った。蛇イチゴくらいポップさがある方が純粋に楽しめるな。
イトル通りの“ゆれる”名演技でした。
キネ旬シアターの西川美和監督特集で見てきました。『あの橋を渡るまでは、兄弟でした。』のコピーが示しているように、吊り橋転落事件の真相を巡って、殺人犯として逮捕された兄と、その裁判で証言台に立つ弟との葛藤を描いたドラマです。
当初は、兄を庇うため奔走していた弟。当然兄の無実の証言をするはずでした。ところが、転落させてしまった兄弟と幼なじみの女性との関係を巡って、兄弟が嫉妬し合い、対立することに。一転して裁判で兄は嘘の証言をいいだす弟。
ラストシーンまで、吊り橋転落事件の真相が明かされないなかで、果たして兄弟の食い違う言い分のどちらが正しいのか。また兄は贖罪の思いから、わざと弟を怒らせて裁判を不利な方向に持ち込んでいったという可能性も示唆されて、兄が引き起こしたという吊り橋転落事件で、兄のほうに殺意はあったのか、事故だったのか、最後の最後まで真相は明かされず、本当はどういうことだったのか、真相に引き込まれました。
香川照之とオダギリジョーの息の合った演技が絶妙。特に香川の演技は、兄の心境や殺意を表裏両面でケムにまくもので、タイトル通りの“ゆれる”名演技でした。
東京で写真家として成功している猛は、忙しくも自由気ままな生活をしていました。一方、地方に残り実家の商売を継いだ兄の稔は、幼い頃から温和で誠実な人柄で、いまだに独身で父親と2人で暮らしていました。
母の一周忌で久しぶりに帰郷した猛は、稔とふたりの幼なじみの智恵子と3人で近くの渓谷に出かけたのです。そこは、兄弟が幼かった頃、よく両親が連れてきてくれた場所でしたが、猛はそのことをすっかり忘れてしまっていたのです。そんな懐かしい場所を訪れたことではしゃぎだす稔。そんな稔の目の届かない場所で、猛と一緒に東京へ行くとこっそり言い出す智恵子。
しかしそのあと渓谷にかかった吊り橋から流れの激しい渓流へ、智恵子が落下してしまいます。その時そばにいたのは、稔ひとりでした。兄をかばうため稔が奔走する中、稔の裁判が始まります。
事故だったのか、事件なのか。猛の前で、稔は次第にこれまでとは違う一面を見せるようになるのです。兄は本当に自分がずっと思ってきたような人間なのだろうか。当たり前と思い疑いもしなかった事柄の裏面が見え隠れし、裁判が進むにつれて猛の心はゆれていきます。やがて猛が選択した行為は、誰もが思いもよらないことでした。
兄弟と呼ばれるその絆はどこまで確かで、そして脆いものなのでしょうか。一度離れてしまったふたりは歳月を越えて再び出会えるのでしょうか。そして記憶はいかに人をだますものでしょうか。一度壊れた人と人が繋がりは、再生が可能なのでしょうか。裁判の結審から7年後、事件の記憶も薄らいでいた中で、猛は再び「真実」について大きくゆれることになるのです。
兄と弟・・
図書館で借りたDVD。兄が香川照之、弟にオダギリジョー。いい映画だが、題名が気にいらない。「兄弟」とか、映画の最後に弟が兄に向かって叫んだ「兄ちゃん」にして欲しかった。「ゆれる」は現場だった吊り橋が揺れると、兄弟間が揺れ動くをかけてると思うが・・2006年の邦画。
凄いですよ、西川美和さん!
家族って、こじれたときは、あらゆる人間関係の中でも最も煩わしい存在になりますよね。
だけども、他の人たちとではありえないだろう、そこからの修復というのも可能にしてくれます。
映画ではそこまでは示していませんが、期待を含める余韻を残す作品でした。
これ、10年前の作品だったんですね。
今見ました。
ずっと、ず〜っと見たいと思っていた映画でした。
「西川美和監督が好きで見た」のではありません。『ディアドクター』『夢売るふたり』が面白くて、この監督誰だろうと調べたら彼女でした。
そして『永い言い訳』を先日見ました。
やはり追い続けてみたいと思える監督でした。
この作品は、以前からずっとずっとずっと気になっていた作品なので、ちゃんと落ち着いた時に見ようと溜めていました。
本が出ていることを知り、先に小説を読みました。
凄いですよ、西川美和さん。
小説も味わい深いし、映画も全く違うテイストで楽しませてくれるんですね。
この『ゆれる』に関しては、小説と映画の両方を味わえてよかった!と思える作品でした。
まだまだ追い続けたい監督です。
これまでのどの映画も見て損は無し。
気になる人は、ぜひ本と映画の両方を!
まいったわ〜
ヤバイねこれ
ハラハラして困ったわ
香川照之×オダギリジョー
底知れない力と技見せられた
というか脚本が念に入ってるよね
西川美和監督の才能かな
じつはこれ
真木よう子・渓谷つながりで
「さよなら渓谷」のあとに続けて見たの
(新井浩文もかぶってる)
さよならが出来良くなくて(^^;
映像とか深い演技とかどーしても比べちゃった
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