劇場公開日 2007年2月10日

「ヒトラーは『いまわの際』に曰わった『100年後に復活する』と。」善き人のためのソナタ マサシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ヒトラーは『いまわの際』に曰わった『100年後に復活する』と。

2023年6月6日
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マサシ
Gustavさんのコメント
2023年6月7日

マサシさん、コメントありがとうございます。
同じ敗戦国のドイツは、分断が避けられた日本とは比較にならない敗北感と自責の念に駆られ、精神的に追い詰められた状態だったと思われます。戦前のドイツ映画の栄華の凄さを僅かながら知る者として、クラシック音楽以外に戦後の芸術を牽引するものが無く、寂しい想いを抱いていました。それでも個人的にはこの「善き人のためのソナタ」と「グッバイ・レーニン!」が好みで、「ネバーエンディングストーリー」「名もなき生涯」「マリア・ブラウンの結婚」「橋」「ブリキの太鼓」なども印象に残ります。残念ながらヴィム・ヴェンダースとヴェルナー・ヘルツォークの巨匠格の作品とは疎遠のままです。ナチスやヒットラーを題材にした作品が多いのは仕方ないとして、それ以外の楽しいジャンルの良作にめぐり合いたいです。
共産主義国家に表現の自由が無いのが、映画をつまらなくしていますね。ただ民主主義国家も21世紀になって世界的にリベラルの思想が全体主義的価値統一をして、表現に注文を付けるのが目立ちます。最近の国際映画祭の偏向も気になるところです。映画にリアリティを追求しすぎると面白く無くなるのではと危惧します。

Gustav