ストップ・メイキング・センス

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

1980年代の音楽シーンに変革をもたらしたアメリカのロックバンド「トーキング・ヘッズ」が1983年に行った伝説のライブを記録したドキュメンタリー。

キャリア絶頂期にいた彼らが全米ツアー中の83年12月にハリウッドのパンテージ・シアターで敢行したライブの模様を収録。バンドのフロントマンであるデビッド・バーンの躍動感あふれるパフォーマンスに、彼を象徴する衣装「ビッグ・スーツ」、エキセントリックなダンスとエキサイティングな演出による圧巻のステージを映し出す。

後に「羊たちの沈黙」でアカデミー賞を受賞するジョナサン・デミが監督を務め、「ブレードランナー」のジョーダン・クローネンウェスが撮影を担当。2023年には、1992年から眠っていた本作のネガを基に、バンドメンバーのジェリー・ハリスン自らサウンド監修を手がけた4Kレストア版としてリマスターされた。

1984年製作/89分/G/アメリカ
原題:Stop Making Sense
配給:ギャガ
劇場公開日:2024年2月2日

その他の公開日:1985年8月3日(日本初公開)、2000年4月28日、2016年4月2日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)1984 TALKING HEADS FILMS

映画レビュー

4.5人生のどこかで一度はスクリーン体感したい伝説のライブ作品

2024年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

ステージ上にライトが当たる。映し出されるのはデイヴィッド・バーンの足。そこからカメラは上がり、涼しげなスーツ、ギター、そしてラジカセに合わせて前後にリズムを取る首元ときて「Psyco Killer」が始まる。この伝説的ライブを初めてスクリーンで体感する自分にとって、これほど一つ一つの細部や動線が目に飛び込んでくることが衝撃だった。一人、また一人とステージ上で合流するメンバーも表情豊かで、鳴り響く音色が増えることで曲調は多彩になる。化学反応の可能性も無限。かくも個性が密に組み合わさってグルーヴを生んでこそのトーキングヘッズなのだと納得する自分がいた。個人的ハイライトは「This must be the Place」の温もりあるメロディ。続く「Once in a Lifetime」の神秘的な響き。ともかくこの機会に鑑賞できて良かった。エンドクレジットで試写客の多くが拍手を送る様が印象的だった。

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牛津厚信

5.0最高!

Mさん
2024年3月8日
Androidアプリから投稿

明日も見に行こうかな

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共感した! 4件)
M

4.5これこそは、できるかぎり大スクリーン&大音響で!!

2024年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

IMAXレーザーで観られて、本当によかった!——心からそう思えるライブ・ドキュメンタリーだった。全米初公開は1984年。今回、40年の時を経てIMAXの巨大スクリーンに蘇った「4Kレストア」版を観て、新たに驚いたことは2つ。

一つは、オリジナルのオーディオ・トラックから新たにリミックスされたドルビーアトモスの、あふれかえるような臨場感だ。ステージのどこから、バンドメンバーのだれから、その音は飛んでくるのか。画面には映り込まなくても、思わず“その方向”へ目を向ける。ヴィヴィッドな音が映像を煽って、いやがうえにも観客のボルテージを上げてくれる。

もう一つは、40年前の旧作映像を巨大なスクリーンで観ても全く古びていないこと。オリジナル・ネガからレストアされた映像は、むしろフィルムならではの質感を保持し、人肌を感じさせるほどだ。
キャメラは、まるでプライベートパーティに招かれた“旧知の顔見知り”のように、演奏するメンバーの合間を縫って“歩き回る”。一身にスポットライトを浴びたフロントマンが声を張る瞬間も、その隣や背後でメンバーたちが交わすアイコンタクトやグルーヴする身体を、キャメラは絶妙のタイミングで捉えて観客に届けてくれる。

こうして全編を見返すと、当時トーキング・ヘッズのステージが他のライブコンサートとは一線を画し、いかに「パフォーミングアーツ」として際立っていたかが改めて実感できる。

たとえば舞台美術ひとつとっても、三分割されたステージ背景に「公共図書館」「ドラッグ」「女のコ」などの単語がスライドプロジェクターによって次々と大写しされるシーンは、パフォーマンス集団ダムタイプの伝説的な舞台『S/N』(1994年初演)を連想させる。

デヴィッド・バーンのステージ・パフォーマンスも強烈で、一度観たら忘れられない。ぐぃんと伸びるヴォーカルはもとより、「のけぞる」「引き攣る」「よろめく」「左右に揺れる」「その場で前のめりにランニングする」…といった一連の「身体表現」は、1970~80年代にかけて演出家ロバート・ウィルソンやマルチアーティストのローリー・アンダーソンらが切り拓いてきた前衛の地平に連なるものだ。ここには、確かに“時代のスピリット”が感じられる(ちなみにバーンは、80年代後半に演劇『ニー・プレイ』と『ザ・フォレスト』でロバート・ウィルソンとコラボレーションを果たしている)。

このような彼の身体表現の根底には、私が大好きなコレオグラファー、トワイラ・サープの影響も少なからずあるのだ——と頭の片隅で思いながら、本作のライブ・パフォーマンスを楽しんだ。
いうまでもなくサープは現代舞踊界の巨匠、世界的振付家の一人だが、バレエほか様々なダンス・エッセンスを取り込んだ彼女独自の振付スタイルが、映画の中でバーンの身振りにあからさまに窺えるわけではない。
バーンは、サープ振付の『キャサリン・ホイール』(1981年初演)で彼女とコラボレーションしており、当時の彼女の仕事ぶりから多くの刺激を受けたとコメントしている。ステージに“応用”できる身振りのヒントは身の周りに幅広く転がっていることに気付かされたのだ、と。
本作をつうじて、サープの振付に込められた「動きの真髄」がバーンのパフォーマンスにも宿っていることを確信し、心打たれたのだ。

最後にもう一つ、本作の字幕について。そらで歌えるコアなファンやネイティブスピーカーには煩わしいかもしれないが、字幕のおかげで、ミュージシャンたちの豊かな表情と“同時”に、「難解」「哲学的」とも言われる歌詞の大意が掴めたので、一曲一曲がカラダにするりと入ってきた。コレがよかった。

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共感した! 2件)
ドミトリー・グーロフ

4.0カッコいい!スタンディングでノリノリで観てみたい!

2024年3月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

カッコいい!スタンディングでノリノリで観てみたい!

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共感した! 2件)
mini
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