劇場公開日 2006年11月25日

「日本人なら知っておくべき」めぐみ 引き裂かれた家族の30年 A-COLORさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0日本人なら知っておくべき

2013年6月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

横田夫妻のインタビュー映像を観ていると、この映画が「引き裂かれた家族」の映画なんだなと実感させられました。
夫妻がテレビに映ると常に政治的メッセージを発しているし、側には何らかの形で政治家が映り込んでいたりします。
なので、どうしても「家族会の横田夫妻」と見てしまいます。

でも、この映画のためにインタビューに受け答えする横田夫妻は、普通の老いた夫婦――娘の帰りをいつまでも待っている――であり、カメラの前でケンカさえしています。
30年前に小川宏ショーで娘の帰りを涙ながらに訴えた、あのころと変わってないとさえ思えます。

でも、いざ「家族会の横田夫妻」としてカメラに写るとき、早紀江さんは入念にメイクをし、「オシャレはしない」と笑う滋さんは髪をとかす。
自分の親や祖父母にも近い年齢の夫妻が、テレビカメラに写るために身支度をし、政治家に会うために東奔西走する、その姿はあまりにもいたたまれない――本人たちが望んでいるのかいないのか、それは分からないけれど。
でも、二人を駆り立てるのは「必ず娘は戻ってくる」と信じているから、なんだと思います。
だからこそ、この事件は速やかに――願わくば全員無事に――解決してほしいと思いました。

A-COLOR