劇場公開日 2002年6月8日

「現代の家族像」I am Sam アイ・アム・サム きりんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0現代の家族像

2018年4月30日
Androidアプリから投稿

「チョコレート・ドーナツ」同様、
家庭がストレートでない人たちがこんなにいっぱい出演。

サムとルーシー親子がもちろんストーリーの中心なんだけど、
助演のメンバーたちのほとんどが成人した大人として、また親として、弱さと傷の歴史を負いながら生きているという設定。

そこに気づいてからはサム親子がかすむほどに"群像劇"としての厚みがグッと増して迫って来ました。

ー裁判で証言してくれた知的障害の母親と祖父母に育てられたという女性。
息子の薬物事件に泣く法廷指定医。
夫が出て行ってしまった主任弁護士と息子。
里子が居着かない悲しいフォスターペアレント。
DV里子縁組みが上手くいってない児童相談所職員。
さらにはサムの子を産んだホームレス女性、
売春をしかける笑顔の素敵なお姉さん、
サムの友人を心配して迎えにきた母親、
そして外出恐怖症のお向かいさんー

みんな一生懸命だー!!!!

大変な人生だから、こんなファンタジー作品で泣き笑いしながら、夢と希望を捨てない熱いストーリーを見せてもらって、僕らも励まされるんだよ。

僕自身の上手くいってない人生を省みつつ、そう思いました。

・・・・・・・・・
付記:
サウンドトラックもとっても素晴らしいんですよ。
この映画に惚れ込んだミュージシャンがどんだけ気持ちを入れて演奏をしたのか、特典映像を見れば感動は倍増です。

きりん