エコール : 新作映画評論

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エコール

劇場公開日 2006年11月4日
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エコール 11月4日よりシネマライズほかにてロードショー

不穏な空気が張りつめる少女たちの世界

画像(C) L'Ecole,byLucileHadzhalilovic

これはいわゆる耽美な少女の世界ではない。映画に張りつめる不穏な空気は、観客を甘美な陶酔に浸らせてはくれない。

なるほど「パンドラの箱」の19世紀のドイツ作家フランク・ベデキントの原作小説に基づく設定は、正攻法の耽美仕様だ。深い森の奥、高い塀に閉ざされた6歳から12歳の少女の寄宿学校、2人の美しい女性教師、“脱走を試みたものは一生ここで暮らすことになる”という噂――少女の白い制服も、長い髪を飾る大きなリボンもこの設定に相応しい。。

けれども、画面には常にこのイメージを裏切る何かが、かすかに、しかし歴然と映っている。ある少女の眉の付け根に入りすぎた力。ブラウスの襟のわずかなめくれ上がり。少女の伏せた目蓋の影に欲望が、微笑みの形に曲げた唇の端に計算が、あからさまにその姿を現わす。映画はこれらを積み重ねて、物語を紋切り型の暗喩から救い出す。少女はイノセントの同義語ではなく、少女であるということは楽園でもなければ牢獄でもない。

監督は「カルネ」のギャスパー・ノエの公私に渡るパートナー、ルシーア・アザリロビック。かつて少女だったことのある監督だけが描けたに違いない少女達がここにいる。

平沢薫

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ABOUT THE MOVIE

  • エコール 画像1
  • エコール
  • 森の奥深くにある学校“エコール”に、6歳の少女イリス(ゾエ・オークレール)がやってくる。高い塀で外部と遮断されたその学校では、6歳から12歳までの少女たちが年齢を区別するリボンと白い制服を身につけ、ダンスと自然の生態を学んでいた。男性のいない女性だけの閉ざされた世界にイリスは順応していくが、ある少女は耐えられず、壁を乗りこえて脱走を図る。中編「ミミ」のルシーア・アザリロビック監督による長編デビュー作。
  • 原題:
    Innocence
    監督・脚本:
    ルシーア・アザリロビック
    製作:
    パトリック・ソベルマン
    撮影:
    ブノワ・デビエ
    衣装:
    バージット・フッター
    出演:
    ゾエ・オークレール、ベランジェール・オーブルージュ、リア・ブライダロリ、マリオン・コティヤールエレーヌ・ドゥ・フジュロール
    製作国:
    2004年ベルギー・フランス合作映画
    上映時間:
    2時間1分
    配給:
    キネティック
  • 11月4日よりシネマライズほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C) L'Ecole,byLucileHadzhalilovic

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