劇場公開日 2003年1月18日

カンパニー・マン : 映画評論・批評

2003年1月7日更新

2003年1月18日よりニュー東宝シネマほか全国東宝洋画系にてロードショー

「CUBE」の監督は観客を手玉に取るのがお好き

画像1

郊外住宅に妻と2人暮らしの会計士。平凡を絵に描いたような男が、ポストモダンっぽい建物の中で奇妙な試験を受けて転職する。そんなちょいとアンチユートピアを匂わす世界の雰囲気から始まる本作は、「CUBE」でデビューした監督の長編第2作。

「CUBE」がワン・アイデアの、どちらかといえば凡庸な状況を設定し、それを丹念に描くことで、観客を楽しませたのと同じく、どうやらこの監督、観客を驚かせ、手玉に取るのがお好きなようだ。

今回の主人公は、多国籍企業に就職した途端、産業スパイを命じられ、偽名を名乗って別企業のホテル・コンベンションに出席し、万年筆型盗聴器で会議をスパイする使命を与えられる。生活は一転、飛行機に乗っては全国のコンベンション巡りをする毎日。そんな中、彼が不思議な光景が脳裏にフラッシュバックする現象に襲われたり、謎めいた女(ルーシー・リュー)が絡んできたり、ますます雲行き怪しきスパイ・ストーリーになっていくが、これ以上、予備知識ナシで見るのがイチバン。次々と主人公の「現実」が崩れる快感をお楽しみに。

ちなみに本作の原題は「Cypher(サイファー=暗号)」。最後にとんでもない真実が待っている。

高橋良平

Amazonで今すぐ購入

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る
「カンパニー・マン」の作品トップへ