劇場公開日 2003年7月26日

「【七人の口煩き姉を持つシスコン”プリン”情緒不安定男の、憂鬱と恋を面白く描いたコメディ映画。ポール・トーマス・アンダーソンの脚本が冴える作品である。】」パンチドランク・ラブ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【七人の口煩き姉を持つシスコン”プリン”情緒不安定男の、憂鬱と恋を面白く描いたコメディ映画。ポール・トーマス・アンダーソンの脚本が冴える作品である。】

2022年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

ー 「マイレージ・マイ・ライフ」はこの作品を参考にしたんじゃないかな・・、と思ってしまった作品である。
 しかも、資料によると、劇中でも語られている通り、プリン製造会社が”間違って、マイレージをプリン代金よりも価値が高い設定にしてしまっている事(事実であるらしい・・)を根底に置きながら、それをメインテーマとすることなく、情緒が可なり不安定な男、バリー・イーガンが真の恋に陥る過程をストレートに描いた点が奏功している作品だと思う。-

■気の強い姉たちに囲まれて育ち、女性不信に陥ったバリー・イーガン(アダム・サンドラー)。
 そんな彼だったが、姉エリザベスの同僚リナ(エミリー・ワトソン)と惹かれ合うように。
 次第に心の距離を近づけ合うバリーだったが、なんとなく利用したテレフォン・セックスのサービスをめぐるトラブルに巻き込まれる。

◆感想<Caution!  内容に触れています。>

・シスコンにより、情緒不安定だった男、バリーが真の恋心に目覚めて行く姿をコミカルに描いた作品である。

・ポール・トーマス・アンダーソン監督が、その過程を面白くも切なく、描いている。
ー バリー・イーガンが満たされぬ思いを、テレフォンセックスに求めるシーンも何だか可笑しい。一々、口座を(個人情報である!)怪しげな相手に教えていく過程。
  駄目じゃん!と思いつつ、可笑しく見てしまう。そして、彼が不器用だが、真面目な男である事が分かるのである。ー

・姉のエリザベスに紹介された、そして一度会っているリナへの想いが募って行くシーンは、”こいつ、不器用だな!けれど、良い男だな!”と思いながら観てしまったよ。
ー 漸く、一緒に食事をしたのに、一歩を踏み越えられず、店のWCを壊してしまう・・。ー

・で、テレフォンセックスの連中から拉致されつつも、”初めての飛行機で”リナに会いに行くバリー・・。

<不器用だからこそ、通じた恋心。
 何だか、ホンワカしてしまったぞ!。素敵なラブストーリー映画であると思います。>

NOBU