劇場公開日 2005年12月17日

「コングへの愛が溢れまくり!」キング・コング 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0コングへの愛が溢れまくり!

2015年2月27日
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鑑賞方法:DVD/BD、映画館

泣ける

興奮

怪獣映画の元祖をピーター・ジャクソンがリメイクした超大作。
公開から早10年。もう何度も見てるけど、やっぱり面白い!
初見時、キングコングばかりズルい、誰かゴジラをこんな風に作ってくれないかなぁ…と嫉妬してしまったほど。

全編、ピージャクのコングへの愛が溢れまくり。
それはコングの細かな動作や表情を見ているだけで伝わってくる。
アンをわざわざ立たせて転ばせてウホッウホッ喜ぶ表情は可愛らしく、アンと夕陽を見る表情は哀愁感じる。(パフォーマンス・キャプチャーと、言うまでもなくアンディ・サーキスの名演も素晴らしい)
一転して動き出すと、画面が狭すぎる躍動感。3頭のティラノ型肉食恐竜とのバトルなんて燃える!
本作にはタイプの違う男性キャラが登場するが、いずれも頼りなさげだったり、見かけ倒しだったり、傲慢だったりと、美しいヒロインは居てもヒーロー不在。
…いや、ヒーローはちゃんと居る。コングなのだ。
アンの危機に颯爽と駆けつける格好良さ!
コングとアンの距離が少しずつ近付いていく様子も非常に掘り下げて描かれている。
ラブストーリーとまでは言わないが、これは紛れもなくヒーローとヒロインの愛のドラマだ。
(コングとアンが交流してる頃、男たちは生死の大アドベンチャーという対比が面白い)

先にもちょっと述べたが、ヒロインのナオミ・ワッツが美しい。あの透き通るような白い肌。
傲慢な映画監督デナムにコメディアンのジャック・ブラックを配し、新たな一面が見れた。
ミスター・ヘイズとアンディ・サーキスは脇役ながらいい役回り。(特にアンディ・サーキスは美味しい死に方)

よく3時間は長過ぎる、と叩かれるが、時間の長さなどまるで気にならない。中弛みもしない。
むしろ、この手の映画でお粗末になりがちな人間ドラマがじっくり描かれていていい。
ちゃんと人間ドラマあり、スペクタクルの醍醐味あり、ワクワクするスリルと冒険と迫力あり。
人間の勝手でNYに連れて来られ、人間の勝手で見世物にされ、人間の勝手で殺される。人間の傲慢も抜かりなく。
でも何と言っても、コングへの愛たっぷり。
本サイトでの評価が意外にも低くてびっくりだが、文句ナシ、ボリューム満点のエンターテイメント!
(中盤の巨大虫襲撃がキモいと言われれば反論出来ないけど…)

今度はレジェンダリーがキングコング映画を製作。
果たしてこれほどの作品を作れるかどうか、楽しみでもある。

近大