劇場公開日 2003年1月25日

「資本主義の病理」ボウリング・フォー・コロンバイン ミカエルさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0資本主義の病理

2023年2月7日
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鑑賞方法:VOD

この映画の中で国や企業が不安や恐怖を煽り物を買わせ利益に変えるというのが銃社会を生んだ元凶という主張があるけど、これはアメリカ社会に限らず資本主義の病理だね。卑近な例ですまないけど、俺が外回りの営業でコンピュータを売っていた時セキュリティの不安を煽るというのが常套手段だった。実際は何も起こらないんだけど、その安心感を売るという商売だった。
その不安が現実のものになってしまうのがアメリカ社会で、銃を安心感から所有するだけでなく、実際に使用して犯罪にまで至ってしまうというのがアメリカ特有の問題なんだ。これはアメリカの建国の歴史が背景にあるというのをコミカルなアニメで描いているのはわかりやすかった。
同じような背景を持っているカナダではなぜ銃は所有してもなぜ犯罪には至らないのか、社会保障が充実しているからという結論を導き出していけど、アメリカとカナダがこうも違うというのは新たな発見であった。
最後のチャールズ・ヘストンへのインタビューで、アメリカは流血の歴史、多人種国家であるのがこのような事態を引き起こしてしまったのではないかと締めくくっていたけど、結局アメリカ人というのは常に敵を想定しなくてはい生きてけない民族なんだろうね。

ミカエル