水深ゼロメートルからのレビュー・感想・評価
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「アルプススタンドのはしの方」の再現を期待して
見たのだけれど、残念でした。
高校生が書いたような脚本のせいか。演劇部の演し物のような演技のせいか。いやいや、やっぱり監督のせいですよね。作りながら、これまずいなあ、と考えなかったのでしょうか。訴えたいことも何か観念的で、高校生が初めて作った作品みたいな感じです。
監督は「リンダ・リンダ・リンダ」の監督ですか?
あんな素晴らしい作品を作る監督が、なんでこんな作品にしてしまったのだろう。
この演劇を映画にするんだったら、せめて、日射しとか、汗とか、暑さとか、日焼けの様子とか、もう少し本物らしくならなかったのでしょうか。そもそも、水泳のインターハイは8月半ば頃なのでは、等々、面白くないと、何かつまらないところに目が行ってしまいます。
体育の先生の怒りモードの部分だけ、おもしろかったです。
終わりよければ?
2024年。山下敦弘監督。高校の演劇部の創作演劇を元にした映画。体育の補習としてプール清掃を命じられた女子高生たちが、それぞれが直面している「女子」としての困難をぶつけあう。
葛藤が解決するわけではなく答えがでないままだし、答えが出ない閉塞感を表現するために冗長な会話が続く場面が多い(つまりリズムが悪い)のだが、すべては最後の雨の中での決めポーズのための前振りだったことがわかるので、ある種の納得は訪れる。最後のキメが上手な監督であることを再認識。それで途中のすべてがよかったことになるかどうかはまた別だけど。
狭い世界のストーリー
水の無いプール掃除に集まる女子高生。教師も含め腹に抱えるものがあり、プールの底を中心に思いを繰り広げる。非常に狭い世界のストーリーだけど田舎の高校生らしくて面白い。ラストは主役の子がひと皮むけたかな。
映画への変換が不完全な舞台劇
ガールトークの舞台劇ですが、今ひとつ狙いがボヤけていた感じ。
答えのないイライラをぶつけ合ってるだけの会話の羅列に見えてしまった。
生徒たちも自分のやりたいこと、自分の意志を語るけれども、それらはすべて今の世の中の閉塞感への反抗でしかなく。
社会に出れば女は理不尽に立ち向かわなければならないと諭す山本先生も、生徒のことを考えている優しさと、単なる八つ当たり的な理不尽さのどっちが本質かがわからず。
舞台なら(もしくは少女漫画なら)突拍子のない行動やセリフも、一種のお約束として許せるし、深読みしたくなる傾向もあるけれど。
映画にそのまま写すだけだと、単にリズムが悪くなり、自分にとっては「映画に変換するのを失敗した」ように見えちゃうんですよね。
長さ的には飽きる前&寝てしまう前に終わるのは、よかったけどもそれだけ。
大塚製薬のお膝元
高校2年の夏休み、体育の補習でグラウンドから飛来したプールの砂掃除をしながら駄弁るJK達の話。
砂掃除を命ぜられた2年生2人と、水のないプールに泳ぎに来た同級生の水泳部部長、そして引退した元水泳部部長の先輩がコンプレックス的なものをダラダラダラダラ…バケツ1杯2〜3分で満杯になりそうだけど、誰もまともやってないですねw
後半になってやっと話しが少し加速したけれど、差別と区別の違いが判っていなくて負け犬根性丸出しだったり、中学生ならまだしもなこと言っていたり…。
爽やかだったり楽しそうだったりする訳でもないし、一生懸命でもないし刺さるところがなかった。
評者は男性
高校卒業が近づくにつれてメイク熱心になっていく女子達にかつては奇異の目をむけていた評者であるが、あれは大学や社会といういわば性的荒野に放たれるのに備えた防御反応という側面を持つのだと納得した。ココロ、ありがとう。
女(男)はこうあるべき、という画一的な性的役割押し付けは不毛な思考停止の産物である一方、完全ジェンダー・フリーが実現すると生物学的女性にとって身体面で明らかに不利な別の男社会が到来する。この中間のどこかに落としどころがあるはずだが、人類は残念ながらそこに至っていないのがなんとも歯痒い。
男踊りや野球部エースへの恋心やメイクのエピソード、あるいは性的ハンディに抗うために心ならずも生徒に理不尽に接さざるを得ない女性教師(最後は折れちゃったみたい)などを見ていると「女の敵は女」的なことを言いたがる気持ちもわかる。しかし、そういう発想をする人がたとえ女であっても目線は100%男であるという自覚は持ちたい。
特に感動はしないが、高校時代に女であることに対峙するんだなと思った。
いまだに「女は楽でイイよな」とのたまわる男子がいる。男であるから「1抜けた」と降りれないことを言いたいらしい。まったくなにを言ってるんだと思う。女であるというだけで限界を感じさせられることに比べれば屁みたいな悩みである。
だいたい僕は高校時代に自分が男であることに対峙したことがない。社会人になってからも考えたことがないぞ。男だからこうしなきゃいけないという周りに「うるせえな、知るかよ」と頭で少し思う程度である。フェミニズムに恩恵を受けた口である
歯痒さ
63本目。
仕事で余計なプレッシャーかけられ、お疲れモード。
なので、この長さは有難い。
舞台っぽいと思ったら、それはそれで納得。
シチュエーションの面白さ、プールに水がない理由は分かったけど、炎天下でそんな事させるかと言う思いと、蝉の音で夏感を演出してるんだろうけど、夏ならもうちょっと汗かかせたりとか、その辺の拘りは欲しい。
でも、女子ならでは会話だったり、バカさ加減は面白いと思ったし、彼女達なりの、この年だからの事情だったり、自我だったりなのかなと。
全体通して思うのが、なんかもったいないと言うか、歯痒い部分があったりで。
悩み多き乙女の自分探し
公開初日に鑑賞。舞台劇を映画化した作品らしく、水の入っていないプール「水深ゼロメートルから」始まる自分探しをテーマにした会話劇。悩み多き乙女のそれぞれの想いを上手く表現している。
2024-75
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