劇場公開日 2024年5月3日

「雰囲気はいいがもうひと工夫ほしかった」水深ゼロメートルから kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0雰囲気はいいがもうひと工夫ほしかった

2024年5月9日
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鑑賞方法:映画館

高校の舞台劇を映画化した作品といえば「アルプススタンドのはしの方」を思い出すし、あの面白さを期待してしまう。
水の入っていないプールの掃除を命じられた女子高校生2人と、途中参加してきた水泳部の2人が気だるそうにわちゃわちゃする会話劇。夏休みの高校、真剣に取り組んでいること、好きだからこそ負けたくない気持ち、どれもかけがえのないものが描かれていた気がする。
ところがつまらないわけではないけど、あまり面白いとは思えなかった。一つにはココロをことを最後まで好きになれなかったことが大きい。掃除しろよ!と。彼女が掃除をしない理由として語る、女性として抱える問題や生きづらさが薄っぺらかったし。自分がやりたくない仕事を、筋の通らない理由をつけて断ろうとする職場の女性を連想してちょっとイラッとしてしまった。
あと、それぞれの登場人物に何か変化が起こって終わっていくのを期待していたが、そうではなかったことも大きい(多少の変化はあったのだが)。彼女たちの関係性に変化があったようにも思えないし。これは完全に個人的な好みの問題だけど。
これ、高校生が演じる舞台として観ていたら印象が違っていた気もする。映画として面白くなるにはもうひと工夫ほしかった。

kenshuchu