リアリティ

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リアリティ

解説

アメリカ国家機密リーク事件で逮捕された女性リアリティ・ウィナーのFBI尋問記録を、ほぼリアルタイムで完全再現。ニューヨークの現代演劇界で活躍する新進気鋭の劇作家ティナ・サッターが長編映画初メガホンをとり、裁判で公開された実際の尋問音声記録をもとに、主人公リアリティとFBI捜査官の心理戦を圧倒的な緊張感で描き出す。

2017年、アメリカ。買い物から帰宅した25歳のリアリティ・ウィナーは、見知らぬ2人の男性に声をかけられる。彼らはFBI捜査官で、ある事件に関する捜査をしているという。気さくで穏やかな口調で何気ない質問を繰り返す彼らだったが、会話は徐々に不穏な空気を帯びはじめ、リアリティは窮地へと追い込まれていく。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のシドニー・スウィーニーが主演を務め、リアリティが直面する状況が緊迫感を増していく様子を繊細かつパワフルに演じた。

2023年製作/82分/G/アメリカ
原題:Reality
配給:トランスフォーマー
劇場公開日:2023年11月18日

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映画レビュー

3.5ルールを守る倫理と破る倫理

2023年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

本作のタイトルは、主人公の名前からきている。だが、ダブルミーニングで現実感を意味する「リアリティ」の意味もあると思われる。本作は実話を基にした作品で、トランプ政権時代に国家機密をリークして逮捕されたリアリティ・ウィナーのFBI尋問記録の台詞を記録からそのまま再現している。自宅に戻るとFBI捜査官の2人が立っており、「なるべく恐怖心を煽らない」ような口調で話しかける。一見フレンドリーな二人の捜査官と主人公の間に流れる緊迫した空気が本作の肝で、彼女は何をしたのか、本当にやったのか、それとも濡れ衣なのかが徐々に明かされる。探りを入れる捜査官の2人と困惑する主人公のやりとりだけで全編を通している。
主人公の部屋にはどういう意図なのか(単純に実際の部屋を再現したということか)風の谷のナウシカやハローキティ、ポケモン関連のアイテムが置いてある。深い意味があるかどうかはよくわからない。
機密を扱うものとリークするもの、どちらにも倫理観がある場合とない場合がある。本作の本質は主人公は本当に機密リークの犯人なのかだけでなく、機密をめぐる倫理にあるのだと思う。これは日本ではなかなか浸透しない倫理観だ。ルールには従うべきだが、ルールを作る側がおかしい場合、ルールを破ることにも倫理がある。とても重要な指摘をしている映画だ。

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杉本穂高

3.5冷静沈着かつ透明な緊張感を持続させながら展開する異色作

2023年11月25日
PCから投稿

何も事前情報を頭に入れないでこの映画を観た。結果的にそれが良かったのかもしれない。会話劇として、サスペンスとして、さらにその向こう側でうごめく心理に焦点を当てた人間ドラマとして、本作に引き込まれる自分がいた。何しろ「あらすじ」さえ読んでなかったので、冒頭から一体何が起こっているのか、目の前に現れた男たちは何者なのか、何が真実なのか、事態はどう転がっていくのか、全くもって不可知。おそらく作り手も最初からそれを目論んでいるのだろう。ほとんど説明のないニュートラルな立ち位置から、観客が少しずつ状況を飲み込んでいける巧みな構造に仕上がっている。そして我々が本作の真意について理解する時、この映画はメッセージ性を帯びたもう一つの側面をあらわにするーーー。冷静沈着なセリフの報酬を単調に陥らぬまま成立させた俳優陣も上手い。ちなみにリアリティとは主人公の名。この象徴的な言葉がタイトルに掲げられたのも納得だ。

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牛津厚信

4.0A Day on the FBI Job

2023年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

Here's something I haven't seen before: a drama scripted entirely off of a tape-recorded interrogation. Also: a film set entirely during the FBI raid of someone's home. Sweeney excels in showing the leaker going through the grown-up version of getting sent to the principal's office. A forgotten episode in turbulent news that should be reviewed before we return to Trump election shennanigans.

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Dan Knighton

3.5真っ当なFBI捜査官と容疑者

2024年1月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

静かだけど退屈しない映画で、あっという間の82分でした。
情報がほとんどない状態で映画を見たので、主人公の女性の様子から無実を信じていましたし、女性1人に対して大勢の屈強なFBI捜査官が次々到着するので、大げさに感じていていました。
また、FBI捜査官の女性に対して、任意調査の伝達や気遣いなどが、丁寧すぎるなと思いました。
考えてみると、あとで裁判で使われるであろう言動はこれぐらい、慎重になるべきなのでしょう。
粗忽者で信じやすい私には、FBI捜査官はムリです。
この映画には、バグった動物に優しい聡明な女性と冷静で思慮深いFBI捜査官が登場し、強欲な悪人はいません。
もし、ネットフリックスで見ていたら、
地味な映画なので、途中でやめていたかもしれないので、集中しやすい映画館で見れて良かったと思います。

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